表向きは「改革」だの「刷新」だのと言いながら、岸田氏も河野氏も高市氏も、森友再調査はしない、「桜を見る会」も問題ない、というのだ。唯一、野田聖子氏だけが森友再調査に意欲を示したが、いかんせん泡沫候補であり、勝ち目はほぼない。つまり、総裁選の有力候補者は揃いも揃いって、「安倍政権のどす黒い体質」を温存し、不正の実態解明もせずに闇に葬り去ろうとしているのだ。
これは菅首相が残した日本学術会議の任命拒否問題も同じだ。岸田氏は「すでにおこなわれた人事をひっくり返すことは考えていない」とし、河野氏にいたっては「防衛省の予算で研究するのは軍事研究だからダメだみたいな短絡的なことではないようにやってもらわなければいけない」などと政治介入発言をする始末。そもそも日本学術会議に対する人事介入は安倍政権時から起こっていたものであり、高市氏もスタンスは岸田・河野と変わらないはずだ。
今回の総裁選で安倍・菅政権が批判的に総括されることもなければ、総裁・首相の顔が変わっても不正を繰り返した安倍・菅路線が一新されることもない──。この事実をこそ、メディアはいま伝えるべきだろう。
(編集部)
最終更新:2021.09.18 11:01