東京都HPより
東京に多数の“隠れ感染者”がいることが、内部から指摘された。
昨日20日、東京では新たに5405人の感染者が確認されたと発表されたが、その一方、東京都モニタリング会議で、国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長が「検査が必要な人に迅速に対応できていない恐れがあり、把握されていない多数の感染者が存在する可能性がある」と述べたのだ。
検査が足りないために数字として表れないだけで、東京の新規感染者はもっといるのではないかというのは以前から指摘されていたが、それにお墨付きが与えられてしまったかたちだ。実際、現在の新規感染者数は1万人を超えているとの見方もある。
ところが、それでもこの国では、国民の命の安全を守ることもそっちのけで24日からパラリンピックを開催しようというのだ。
パラをめぐっては、組織委員会が競技会場で重度の怪我人や病人が出たときに救急搬送の受け入れ協力を墨田区の都立墨東病院に要請していたが、病院側は「救命救急センターは本来、突発、不測の重症患者に備えるものであり、予定された行事のバックアップをするものではない」とし、コロナ対応を優先させるために要請を断っていたことが判明。あまりも当然の判断であり、さらに言えば、このような厳しい医療体制状況のなかでパラを開催することは選手たちをも危険に晒すことになるだろう。
だが、それでも菅政権も組織委も東京都も、パラを中止する気がないらしい。いや、それどころか、小池百合子都知事はパラの開催、そしてパラ観戦への子ども動員に対し、尋常ではない執念を日々強めている。
たとえば、昨日の会見で「最大の危機を迎えています。いま以上に重要な時期はないのでは」などと言いながら、18日時点で約13万2000人もの都内の子どもたちをパラに動員させようとする「学校連携観戦プログラム」については「極めて教育的価値が高い」として実施する方針を崩さなかった。