5日放送の『ゴゴスマ』(CBCテレビ)で、千原ジュニアが「オープニングで『メダルおめでとう』ってやって、後半コロナで。つなぎのニュースで選手村でクラスターが発生したとか、不思議な時代を生きているという感じがします」と五輪報道をめぐるメディアの矛盾に疑問を呈すると、CBCの石塚元章・特別解説委員が「どこかの放送局のMCさん、裏でやってますけど」「『テレビっていうのはこういうとき、手のひら返すんですよ』と言ったと聞いてますけど、そういうことをメディアの側の人間が冗談でも言うな」と暗に裏番組の『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)の宮根誠司を批判。ジュニアが「この世にはいいセイジと悪いセイジがいる」とオチをつける一幕があったが、まさにほとんどのワイドショーでは、手のひら返しの開き直りが当たり前になっている。
しかも感染状況が過去最大級に悪化している現在も、「選手のがんばりは別」などとエクスキューズをつけながら、コロナは申し訳程度に報じるだけで、その報道姿勢をあらためようとしない。
現在の感染状況は、東京では1万人以上の人間が自宅で救助を求めているような状況で、災害レベルにある。テレビでも、常時、感染状況や注意喚起を呼びかけ続けてもおかしくない。それが、テレビはほとんどが五輪報道に割かれ、注意喚起がまったくと言っていいほど行われていないどころか、逆に国民に危機的状況を見えなくさせている。
まだ感染のピークも見えずこれからどれくらい被害が大きくなっていくかまだわからない状況だが、五輪開催強行が感染爆発を引き起こしたことは間違いない。感染の危機を伝えず五輪報道にかまけているメディアの責任は大きい。
(本田コッペ)
最終更新:2021.08.06 11:41