小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

感染3000人超後もテレビは五輪一色!『スッキリ』はコロナ扱い3分で加藤浩次が“五輪無罪”主張、フット岩尾だけが違和感を表明 

 だが、加藤のようにあからさまに口にしないだけで、他の番組も同じようなもの。たとえば昨日29日放送の『ひるおび!』でも、五輪が感染拡大の要因になっているという問題についてはスルー。「あなたは現在の行動をどう改めようと思いますか?」という視聴者アンケートの回答のなかには「オリンピックを開催している以上、改めるつもりはない」というものもあったが、スタジオのトークは“やっぱりワクチンが鍵”などという論調でまとめられていた。

 そんななか、報道の責任について言及したのは『バイキングMORE』(フジテレビ)くらい。以前も本サイトでお伝えしたが、『バイキング』はMCの坂上忍が五輪再延期を訴え「五輪選手の活躍を伝えて、次のコーナーでコロナの死者を伝えるなんてできない」と繰り返してきたためか、他のワイドショーの五輪・金メダル礼賛報道とは毛色が異なっている。今週は坂上が夏休み中で不在だが、それでも昨日29日の放送では番組冒頭から約50分ほど感染拡大問題を特集。その後も水難事故問題やコロナ禍の業績悪化で所属事務所が破産した小金沢昇司、大島優子と林遣都の結婚といった話題を取り上げ、五輪の話題はそのあとに約20分という他番組とは違う短さだった。本日30日の放送でも、コロナ感染拡大についてをメインに扱い、五輪についても競技そのものはわずか5分程度報じただけで、選手の感染や猛暑、食品ロス、竹中直人の開会式辞退、ドイツ体操女子による性的視点への抗議など、五輪の問題点のほうを報じていた。

 そして、29日の放送ではミッツ・マングローブが「都内はお祭りやっていますから、そういうなかでの人流っていうのは見受けられますよね、やっぱり」とコメントし、さらにフットボールアワーの岩尾望もこう述べていた。

「最近、ニュースでも情報番組でも、なんとなくオリンピック一色な感じあるじゃないですか。で、(新規感染者が)3000人とか出たらやっぱりドキッとするじゃないですか」
「昨日も夕方のニュース観てて、ニュース速報出たんですね。『東京都3000人 過去最多』みたいな。で、その画面にメダル獲った日本選手がワーって(ガッツポーズを)やってて。その上に(ニュース速報が)出てるから、すごいギャップも感じるし」

 この岩尾のコメントはまさしく、いま視聴者の多くが感じている違和感、戸惑いを表したものだ。昨日放送の『Nスタ』(TBS)では井上貴博キャスターが“オリンピックのことばかりというお叱りもいただく”といった旨のことを述べていたが、実際にそうした批判がテレビ局にも寄せられているのだろう。だが、それでもほとんどの番組が自ら内省することもなく、かつてない感染拡大状況のなかでもひたすら五輪礼賛を繰り広げているのだ。

「自分たちの五輪報道は感染拡大と関係ない」と無責任な態度をとり、感染拡大に拍車をかけるように東京五輪・金メダル礼賛報道をつづけるテレビ。無論、これでは五輪中止の判断をせず、一向に感染拡大に歯止めをかけようとしない菅首相らの責任をしっかり批判できるはずもない。菅首相は国民の命を守ることを放棄しているが、テレビも同じく、報道機関としての使命を放り出しているのが現状なのだ。

最終更新:2021.07.30 03:26

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。