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菅首相が緊急事態宣言会見で大ボラ連発! ワクチンは「世界でもっともスピード」、ロッキン中止も「じつは五輪も同様の取り扱い」

 菅首相はきょうの会見で恥ずかしげもなく、こう語った。

「オリンピック、パラリンピックには、世界中の人々の心をひとつにする力があります」
「新型コロナという大きな困難に直面するいまだからこそ世界がひとつになれること、人類の努力と英知によって難局を乗り越えていけることを東京から発信したいと思います」

 緊急事態宣言を発出するという非常事態にあるのに、「世界中の人々の心をひとつにする」「難局を乗り越えていけることを発信」するために東京五輪を開催する──。まったくふざけるのもいい加減にしろ、という話だ。東京五輪を開催することは、世界どころか国内の人々の心を切り裂き、五輪の開催が新たな難局を生み出すことになるのは目に見えているからだ。

 まず、本日おこなわれた5者会談では都内会場の無観客開催が決定したというが、無観客でも海外からは選手や関係者、報道陣など約7万人が日本にやってくる。すでに「バブル方式」が弾けてしまっていることは次々に露呈しているが、デルタ株や南米などで流行しているラムダ株をはじめ東京五輪が“変異株の祭典”の舞台となり、新たな変異株を出現させる可能性もある。

 だが、もっとも問題なのは、東京五輪の開催によって緊急事態宣言の効果が発揮されない可能性が非常に高いことだろう。

 昨日、厚労省新型コロナ対策アドバイザリーボードに示された京都大学などによる試算では、強い対策をとらなかった場合、東京五輪の期間中に東京都の新規感染者数が3000人に達するとし、一方、新規感染者数が1000人になった時点で強い対策が取られれば〈感染者数は横ばいになり、約10日で減少に転じる〉とした(東京新聞7日付)。そして、この「強い対策」のなかには、宣言発出以外にも「報道や政治家の発言によるアナウンス効果」が含まれている。試算では前回の宣言時のデータを基にし、実効再生産数がアナウンス効果で20%、宣言の効果でさらに20%減ると想定したという。

 しかし、宣言下で東京五輪を開催するのだから、このアナウンス効果に期待できるはずもない。実際、きょうの会見では、菅首相は東京五輪を開催することは棚に上げ、またも飲食店、とりわけ酒の提供を槍玉にあげ、宣言対象地域などで飲食店での酒類提供を一律停止すると発言。かたや東京五輪というお祭り騒ぎを繰り広げるのに、国民には「外で酒は飲むな」と締め付けようとは、矛盾も甚だしい。

 しかも政府は、酒を飲食店に卸す事業者に対し、酒類提供停止に応じない飲食店とは取引するなと要請するという。苦境を強いられる飲食店と卸業者を分断し、要請に応じられない飲食店の事情を汲むこともなく、あたかも感染拡大の元凶のように扱うとは、一体どういうつもりなのか。

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