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東京都が五輪に消防庁職員・団員のべ3万人を投入、救急車も24会場に2台ずつ! インド変異株で感染者急増が予測されるさなかに

 しかも、問題は、3万人の消防庁職員と団員、50台近くの救急車が配置される五輪期間中というのは、インドで確認されている変異株(デルタ株)による感染拡大の危険性が指摘されていることだ。

 厚労省の昨日2日の発表によると、インド型変異株の国内確認数は計53人(5月31日時点)で、24日時点から1週間で24人も急増している。そして、都道府県別でもっとも確認数が多かったのは東京都で、最多の14人となっている。

 実際、東京大大学院経済学研究科の仲田泰祐准教授らがまとめた試算によると、6月中旬に緊急事態宣言が解除され、かつインド型変異株が蔓延した場合、1日100万回のワクチン接種がおこなわれたとしても7月中旬あたりから都内の新規感染者数は右肩上がりとなり、9月第1週には1日2000人を超えると試算。ワクチン接種が1日60万回の場合は8月第1週には1日2000人を超えるという。つまり、このままでは東京五輪開催と合わせて都内の感染者はうなぎのぼりとなっていくことが予想されるのだ。
 
 東京五輪組織委員会の橋本聖子会長は「五輪の中止はない」と明言した日刊スポーツのインタビュー(3日付)では、その根拠として「東大のある教授が、開催した場合に無観客でやれば(開催しない場合と)感染者数がほとんど変わらないというデータを示した」と述べているが、これは明らかなゴマカシだ。

 この橋本会長が言及した試算も、前述した仲田准教授らがまとめたものだが、人流を抑制できた場合の推計であり、しかもじつは、こちらはインド型変異株の影響は含まれていない試算なのだ。

 しかも、橋本会長が言及したインド型変異株の影響を含んでいない試算でも、ワクチン接種が1日60万回のペースで進み、東京五輪の開催によって人の流れが6%増加した場合、やはり大会の開催直前から東京都の新規感染者数は急激な右肩上がりとなっている。これにインド型変異株の影響が加味されれば大変な数字になる。

 いずれにしても、五輪期間中、コロナの感染再拡大で救急搬送が急増し、それによって、コロナ以外の病気や怪我に対応する救急体制も逼迫する可能性は十分考えられる。

 ところが、東京都はまさにその時期に、3万人もの消防庁職員・消防団員を投入し、救急車を50台近く五輪に投入するというのだ。救急車について、東京都は予備や廃棄する予定だった救急車を使うなどと説明しているが、人員や車両にそんな余裕があるのなら、それこそコロナ感染者急増に備えた、救急体制の増強をすべきではないか。

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