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細田博之「沖縄はコロナ対策を国に頼るな」、河野担当相「沖縄の若い人は甘えちゃだめ」…菅政権・自民党の酷すぎる沖縄いじめと責任放棄

 国の失策を棚にあげ、沖縄だけを突き放す──。まさに沖縄に対する「差別」があらわになった暴言にほかならないが、しかし、これは細田氏の個人的な考えではなく、政権も共有する意識だ。

 実際、昨年「GoToトラベル」がスタートしたあとの8月、沖縄の新規感染者数が増加し、軽症者・無症状者の療養先となる宿泊施設の確保が問題となった。だが、「GoTo」の旗振り役だった当時官房長官の菅首相は「政府から沖縄県に何回となく(宿泊施設の)確保をすべきであるということを促している」と発言。あたかも沖縄県が政府の言うこともきかずにホテル確保をサボってきたかのように言い放ったのだが、実際には沖縄県は国と調整してホテル確保の準備を進めていたことがわかっている。つまり、菅首相は一方的に沖縄県を攻撃し、責任を押し付けたのだ。

 もちろん、菅政権による沖縄差別はコロナ対応の場面だけではない。先日、沖縄タイムスや琉球新報がおこなった河野太郎・沖縄担当相のインタビューでは、子どもの貧困が深刻な沖縄の課題について、河野沖縄担当相はこう述べた。

「若いうちに妊娠するというのが引き金になっている」
「母子世帯の割合が高い。そこがやはり貧困になってしまっているというのは、絶たないといけない。必ずしも褒められる話では決してない」
「いかに若い人の妊娠率を下げるか、母子世帯の発生を抑えるか」
「母子世帯でも周りの人、周りの家族が支えてくれたり、親戚が支えてくれたりみたいなことがあってやってこれている部分がある」「そこにやっぱり甘えちゃだめ」
「ある程度責任が持てる家庭作りというのを沖縄の若い人に徹底していく必要がある」

 10代の望まない妊娠を減らすことは重要なことだが、必要なのは母子家庭でも貧困に陥らず心配なく子育てができる環境づくりであり、それこそが河野沖縄担当相の責務であるはずだ。それを「いかに発生を抑えるか」などと言い放ち、自己責任論を展開したのだ。

 この発言に対し、沖縄の若い女性たちの支援や調査をおこなってきた上間陽子・琉球大学教授は「沖縄で未婚の出生率が高い歴史的背景には、沖縄は米国の占領地だった時期があり、バースコントロール(産児制限)が効かない中で子どもを産むことが形成されていったことがある。日本で避妊方法の教育がなされていたとき、沖縄ではそれができなかった。第一義的責任は国にある」と指摘し、「母子世帯になれば貧困に陥るのは、単に国策の破綻だ。そこを修復しようとせずに「母子家庭での子育ては大変だから、母子家庭にはなるな」という話は、国の責任放棄だろう」(琉球新報15日付)と批判をおこなったが、まったくそのとおりだ。

 このコロナ禍でとりわけ苦境に立たされる沖縄に対し、支援拡充を約束するのではなく「国に頼るな」と言い、自己責任を迫る菅政権。緊急事態の最中にも差別性を隠そうとしない、この態度を看過するわけにはいかない。

最終更新:2021.05.20 10:36

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