しかし、ルッキズムと女性差別とセクハラにまみれた笑いをつくってきた芸人たちは、こんな問題が起きてもまだ変わろうとせず、逆に姑息な手段で批判をかわそうと必死になっている。
典型が松本人志だろう。松本は浜田雅功のブラックフェイスが問題になった際も、「はっきりルールブックを設けてほしい」などと、まるでコンプライアンスに振り回される被害者のような発言をしていたが、今回も告発・報道した側を「試作段階でつまみ食いして不味いと言った」などと攻撃して、完全に問題に本質に蓋をしようとした。
さらには、「直美のフットワークの範囲が狭くなってしまう」と言ったケンコバや、「スマホの画像加工で豚の鼻をつけるやつとかあるじゃない。ああいうのを直美がやりにくくなったらかわいそう」と言った太田光。実際の渡辺はそんなルッキズム的な笑いをとっくに脱却しているのに、いったい何を言っているのか。
ようするに、彼らはいろいろ理屈をつけているが、結局、自分たちがつくってきたルッキズムにまみれた笑い、差別感情に根ざした飯のタネを何とか守りたいだけなのだ。
その姑息さにはあきれるほかはないが、しかし、もっと信じられなのは、日本のテレビでは、そんな連中が情報番組やニュース番組でコメンテーターをつとめ、したり顔で社会問題にコメントしていることだ。
渡辺直美は先のYouTubeで「これがきっかけで、変わったらいいなと思う」と話していたが、彼らのコメントを見る限り、その日はまだまだ遠いと感じざるをえない。
(本田コッペ)
最終更新:2021.03.25 07:36