ようするに、「トランプ大統領は人権問題に熱心に取り組んできたのに、池上彰はデマを拡散した」などというのは、フェイクや陰謀論を拡散してトランプ批判を封じ込めてきたトランプ信者の言いがかりのひとつにすぎない。そして、「ウイグル」問題を持ち出したのも、彼らが人権問題について真剣に考えているわけではなく、たんにリベラルを攻撃するために利用する例の“ウイグル話法”にすぎない(実際はリベラル派もウイグル弾圧に対する批判の声は上がっているが)。
しかし、問題は森下氏がこんなネトウヨの妄言を平気でツイートしていたことだ。いったいどういう思想的な背景があるのかと思って、森下氏がツイッターでフォローしている顔ぶれをチェックしてみたのだが、これが唖然。予想以上にネトウヨ・極右のオンパレードだったのである。
政治家では、杉田水脈参院議員、和田政宗参院議員、丸山穂高衆院議員、足立康史衆院議員、佐藤正久元外務副大臣。ジャーナリストや評論家では、櫻井よしこ氏、ケント・ギルバート氏、阿比留瑠比氏、有本香氏、我那覇真子氏、加藤清隆氏、タレントではほんこん、半井小絵、さらにトランプ擁護のトンデモジャーナリスト、ジェームズ・オキーフの名前まである。
ただし、森下氏がこうした人たちをフォローするようになったのは、最近のこと。それまでは、前述したように、以前は政治的なツイートはほとんどしていないし、比較的リベラルなスタンスの人たちや文化的な教養のある有名人のこともフォローしていた。それがある時期から、極右ネトウヨ人脈をどんどんフォローしているのだ。
また、森下氏はもともと韓国好きで知られ、韓国滞在記などもブログにアップしていたが、いまはそれが削除されたのか読めなくなっているのも気になる。
もしかしたら、森下氏は自民党から出馬することになった前後から、ネトウヨ教育を受け始め、いま、“にわかネトウヨ化”の真っ最中なのではないか。そういえば、森下氏がフォローしているひとりにネトウヨ議員・和田政宗参院議員がいるが、和田議員は宮城が地元で、例の池上彰攻撃でも主導的な役割を演じていた。
政治家を目指すのは自由なので止めないが、森下氏にはくれぐれもこういうカルトなフェイク思想に洗脳されて、民主主義を破壊する勢力の尖兵になったりしないよう注意を促したい。
(編集部)
最終更新:2021.03.08 10:21