一方、不正選挙デマをめぐってネトウヨ仲間の上念司氏やKAZUYA氏と内ゲバするほどトランプにのめり込んでいる百田尚樹氏は、〈ペンスが裏切った今、反トランプが議会になだれ込んで、開票を混乱させる理由が思いつかない〉とツイートするなど、“ANTIFAのなりすまし”説には立たなかった。しかし、そのかわりに〈民衆の暴動により、ペンスの裏切り行為が中断された〉〈バイデンが選出される流れが中断されて、トランプ陣営に立て直しの時間が与えられた〉と発言。議会襲撃の「民衆」を評価したのだった。
百田センセイはその後も〈トランプの大逆転を信じたい!〉〈これからトランプの大逆襲が始まるのかもしれん!知らんけど〉などと同種の事態を期待するようなツイートも連発し、今週になっても、まだ〈今、アメリカで何か起こってる?私は20日までに一波乱あると見ている〉とツイートしていた。
まさに錯乱としか思えないが、さらに信じられないのは、ネトウヨ芸人・ほんこんだ。門田氏、百田氏はネットでの発言だったが、ほんこんはなんと地上波テレビ番組で議会襲撃をめぐる陰謀論を垂れ流したのである。
1月9日放送の『正義のミカタ』(朝日放送)でのこと。ほんこんは得意げにこう語った。
「これ、『議会へ』ていうトランプ大統領の発言がちょっと問題であって、これ逆手に取られて、TwitterとかYou Tubeとか見させてもらったけど、あの、警官の方が招き入れている映像も残ってるんですよ。そういうのもあるんで、やっぱり、これがほんまに、ANTIFAっていう証言も出ているていうのもね、そこは平行にして公平性を持って放送したほうがええと思いますけど」
いったい何を寝言を言っているのか。ほんこんは警官が招き入れている映像が残っているなどとしたり顔で解説しているが、それ、ANTIFAのなりすましの証拠でもなんでもなくて、アメリカでは、議会襲撃における警官の姿勢が、BLM運動への対応と違って、白人・トランプ支持者に甘いとして大きな批判を浴びている。というのに、ほんこんは真逆に解釈しているのである。あげくは、明らかな陰謀論を「公平に」扱えって……。
当然、この発言には批判が殺到し「BPO案件だ」という声まで上がったが、翌日当のほんこんはYouTubeライブ配信で「事実を知りたいだけ」などと釈明。さらに1月17日には、やはり自身のYouTubeチャンネルで、「ドミニオンとかフランクフルトとかなぜ報道しないのか不思議」と不正選挙フェイクを堂々と語ったうえ、議会襲撃について今度は「トリックを使ってつくられた映像なのか、検証してほしい」などと言い出す始末だった。