YouTube「ほんこんのちょっと待て」より
バイデン大統領の就任式が20日、予定通り開かれた。しかし、2週間前、トランプ前大統領に煽られた支持者の議会乱入で、アメリカの民主主義が崩壊する一歩手前までいっていたことを忘れてはならないだろう。
根拠のない「選挙の不正」デマをがなり立てるだけならまだしも、暴力で選挙結果を覆し、正当な政権移行を妨害する……。トランプ支持者のカルト的本質が完全に露わになったと言うほかはない。
しかし、もうひとつ呆れたのは、日本のネトウヨや右派論客の言動だ。連中はこの間、アメリカのトランピストに負けず劣らずの熱量で、トランプ支持を叫び、不正選挙デマをがなり立ててきたが、この議会乱入でさすがに、おとなしくなるのではないかと思われていた。
ところが、日本のネトウヨ・右派論客たちはその後も、「選挙は不正だ」と叫ぶのをやめなかったばかりか、アメリカのカルト丸出しトランピストと同様、暴動肯定や「ANTIFAのなりすましだ」などと強弁し始めたのだ。言うまでもないが、「議会襲撃はANTIFAのなりすまし」というのは、アメリカ当局や複数のメディアによって速攻で否定されている完全なデマ。トランプ支持であっても、普通に判断能力のある人間なら「こんなことを口にしたらさすがに馬鹿にされる」と口をつぐんでしまうレベルの陰謀論だ。
ところが、日本のネトウヨ・右派論客たちはその恥ずかしすぎる陰謀論を平気で主張しているのだ。
その典型が、大統領選前後から数々の陰謀論を拡散し、メディア業界では“ネットde真実おじさん”と言われるようになったジャーナリストの門田隆将氏だろう。
門田氏は7日に〈先頭を切り連邦議事堂に突入した人間が“アンティファである”との告発が相次いでいる〉と、典型的な日米ネトウヨフェイクをツイート。さらに9日には、〈我那覇真子氏の現地レポート、特に連邦議事堂で女性が死亡した現場の映像分析に見入った。連邦議事堂の“窓を割る人間、映像を撮る人間も、アンティファであると思われる”と。その人物が「目撃者」としてCNNに出演し、視聴者に刷り込みを行い、トランプ・警察双方に打撃を与えるやり方。戦慄を覚える〉とツイートした。
我那覇氏は沖縄ヘイトデマの拡散で有名なネトウヨ中のネトウヨ活動家で、現在はアメリカ入りしトランプ陣営のフェイクを発信しまくっている。そんな人物のレポートを平気で引用して、「戦慄を覚える」って、その暴走ぶりのほうがずっと「戦慄」ものだろう。