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菅義偉首相の緊急事態宣言が遅れた言い訳がもはやホラー!「専門家と医療業界が年末年始に感染者が少なくなると考えたから」

首相官邸HPより


 本日7日、発令が決定される予定の緊急事態宣言。菅義偉首相が「限定的・集中的」と述べたように、その措置は飲食店への営業時間短縮などが柱になる見通しだが、その効果に疑問が投げかけられている。

 厚労省の新型コロナ対策アドバイザリーボードのメンバーである「8割おじさん」こと京都大学の西浦博教授が6日に公表したシミュレーションの結果によると、飲食店に限定して時短営業などの対策をとった場合、新規感染者数はほとんど減らず、2月末時点でも1日およそ1300人の新規感染者が出るというからだ。

 現在は首都圏が「感染爆発」に相当する状況にあると政府分科会の尾身茂会長も明言したばかりだが、つまり、菅首相が当初述べていた飲食店の時短要請だけでは感染爆発の状況はつづき、すでに崩壊している医療提供体制はさらに悲惨なものになるということだ。

 今回の西浦教授のシミュレーション結果は極めて重要であり、それに基づいた措置が検討なされるべきだ。ところが、驚くべきことに、政府はこのシミュレーション結果を「非公表資料」としていたというのである。実際、西浦教授自身がこう述べている。

「明日(6日)招集なのですが、厚労省にまず出して検討してもらったのですが、「非公開資料として扱います」ということでした」
「リスク評価に関わるような計算だけでも諮問する会議にアドバイザリーボードがコメントすべきではなかろうというのが厚労省の説明でした。分科会の先生方には年末年始にも提示して議論はしています。政府にこのシミュレーションが提示されるかはわかりません」(BuzzFeed5日付インタビュー)

 厚労省は御託を並べているが、これはようするに、西浦教授のシミュレーション結果が緊急事態宣言発令に伴う措置を「限定的」に抑えたい菅義偉首相の方針に反するものであるため、政府として認めるわけにはいかず、「非公表」としたのではないか。

 しかも、このシミュレーション結果を厚労省が官邸に報告していないとは考えにくい。西浦教授が厚労省にデータを示したのがいつなのかは不明だが、もし分科会のメンバーに示されたのと同じ年末年始だとすれば、菅首相はこの結果を知っていて緊急事態宣言の発令を渋り、さらには飲食店の時短という「限定的」な措置に留めようとしていたということになる。

 このシミュレーション結果を西浦教授がメディアで公表したためか、西村康稔経済再生担当相が「テレワークで出勤者7割削減」を口にするなど、対策強化の動きも見られるが、そもそも菅首相は効果の少ない「飲食店の時短」だけの、かたちだけの緊急事態宣言を出そうとしていたのである。

「GoToトラベル」をめぐっては、あれだけ「『GoToトラベル』が感染拡大につながったというエビデンスはない」などと主張していた菅首相だが、菅首相こそ、エビデンスや専門家の知見など一顧だにしていないということだろう。
 

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