「全国で5000万枚余りの世帯すべてを対象に、1住所あたり2枚ずつ、布マスクを配布する」
4月1日 新型コロナ対策本部会合
「感染爆発に備えて新たに病床をこれだけ確保した」とか「国民が安心できるこれだけの生活補償を実行する」とか、そうした国民の不安に応えるメッセージを発するべきタイミングで出た政策が、布マスクの配布──。ほとんどの国民が耳を疑ったであろうこのバカ発言こそが2020年、いや7年8カ月という安倍政権を象徴する歴史的な言葉だろう。
ある意味、この「アベノマスク」と例の星野源に乗っかった「うちで踊ろう」動画こそが求心力の低下を招き、結果的に長期政権に大打撃となったとも言えるが、安倍前首相はいくら批判されても、その後も「布マスク配布の一定効果は間違いなくあった」などと強弁、「(動画は)私というモデルが悪かったのかもしれませんね(笑)」(「月刊Hanada」9月号/飛鳥新社)などと言いつづけたのである。
しかも、忘れてはならないのは、国が開示したマスクの調達にかんする契約の文書や納品書などは発注枚数や単価が黒塗りになっており、いまだに全容ははっきりしていないということだ(東京新聞27日付)。
介護施設向けなども含めると、500億円を超える費用が投じられた「アベノマスク」。科学的根拠や国民の生活実態を軽視し、場当たり的な思いつきでしか動けなかったのが、安倍前首相のコロナ対応だったのである。
★明日(1月1日)公開の後編につづく
(編集部)
最終更新:2020.12.31 10:16