社会に関するニュースを本・雑誌から読み解きます。

菅首相がコロナ重症者最多のなか会見で「携帯料金20ギガで2980円」をアピール! GoTo反省も独自の生活支援策もなく…

首相官邸HPより


 この無責任さは一体何なのだ。本日、ついに首相就任会見以来となる臨時国会の閉会にともなう総理会見をおこなった菅義偉首相だが、この感染拡大の最中に国民に危機感を強く訴えるでもなく、冒頭から原稿を読み続けるだけという無能っぷりを見せつけたのだ。

 まず、菅首相は新型コロナの感染拡大で重症者用病床が逼迫していることについて「強い危機感を持って対応している」と述べ、医療機関や高齢者施設への「最大限の支援」をおこなうことをはじめ、「雇用調整助成金」の特例延長に必要な予算の割り当てや無利子・無担保融資などの延長、ひとり親世帯の追加給付金、地方創生臨時交付金の1.5兆円確保などを発表。だが、これらは国会で野党から支援策として要求されながら、具体的な回答をおこなってこなかったものだ。

 国会での審議で野党からの質問の際に明言していれば具体的な議論もできたというのに、それはせずに閉会が決定してから会見で手柄のように披露する──。しかも、医療機関への支援やひとり親世帯への追加給付金などは予備費を使ってもっと早く対応しておくべきだったもの。その上、「雇用調整助成金」の延長については、NHKなどの報道によれば延長は来年2月末までで、3月以降は段階的に縮減する方針だというのだ。

 かつてない感染の拡大が進むなかで、かたや「GoToトラベル」は来年6月末まで延長する方針を示しながら、今後さらに厳しさを増すことがわかりきっている雇用を守るための助成金はカットする方針を早々に固める。そして、そのことは会見では明かさず「延長」とだけ述べる。これではもはや詐欺だが、驚いたのはこのあとだ。

 ここまで感染拡大に歯止めがきかない状態がつづいているなかで、何より必要とされているのはそれを阻止するための具体策だ。しかし、菅首相は「マスクの着用、手洗い、3密回避の徹底を」と述べただけ。それどころか、「わが国に必要なものはポストコロナにおける成長の源泉です」と言い出すと、その後は脱炭素化やマイナンバーカードの普及、デジタル庁の創設、外交、東京五輪などといった所信表明演説でもこってり聞いた話をしはじめ、最重要課題である新型コロナ対応の話題を早々に終わらせてしまったのだ。

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。