首相官邸HPより
憲法に保障された「学問の自由」を踏みにじり、違法が指摘されている「日本学術会議」任命拒否問題で、本日はじめて菅義偉首相が内閣記者会の「グループインタビュー」に応じ、「それぞれの時代の制度のなかで法律に基づいて任命をおこなっている」「学問の自由とはまったく関係ない」と主張。一方、6人を任命拒否した理由については「個別の人事に関することについてはコメントを控えたい」などと言い、説明を拒絶した。
たしかに、こんな無茶苦茶な人事介入、理由を説明することなどできないだろう。
しかし、すでに指摘されているように、国会での過去の答弁などからしても、法解釈としては総理大臣が任命を拒否することはできず、菅首相がやってのけたことは違法行為だ。にもかかわらず「法律に基づいている」と言い張ったのである。
まあ、ここまでは、官房長官時代に「問題はない」「指摘は当たらない」と突っぱねてきたのとまったく同じだが、今回、菅首相はこんなことまで口にした。
「事実上、現在の会員が自分の後任を指名することも可能な仕組みとなっている。こうしたことを考えて、推薦された方をそのまま任命してきた前例を踏襲してよいのか、考えてきた」
つまり、自ら掲げる「悪しき前例主義の打破」の一貫だと主張したわけだが、首相の独断で憲法と法律を犯すことが許されるなどあるわけがない。ようするに、菅首相は「法治国家」という大前提さえ崩すことを自己正当化してみせたのである。
総理大臣になってその強権独裁がパワーアップしているかのような発言の数々だが、菅首相のこうした発言のみならず、きょうはもうひとつ、大きな問題が浮上した。菅首相がおこなった、この「グループインタビュー」なるものの存在だ。