この隠蔽はまさに国民への背信行為ではないか。日本学術会議の人事介入が明らかなように、菅政権は安倍政権と全く変わらない、いや、それ以上の民主主義の破壊行為を推し進めようとしている。ところが、マスコミはそれを批判するどころか、菅政権の顔色だけを伺って、一緒になって情報を国民の目に見えないようにしているのだ。
絶望的としか言いようのない状況だが、そんななかで唯一の救いは、朝日新聞がオフ懇を拒否しただけでなく、以下の声明を出したことだ。
〈朝日新聞の記者はこの懇談会を欠席しました。首相は日本学術会議の新会員に6人を任命しなかった問題をめぐり「法に基づいて適切に対応した結果です」と記者団に答えるにとどめています。朝日新聞は、首相側に懇談ではなく記者会見などできちんと説明してほしいと求めています。首相側の対応が十分ではないと判断しました。〉
本来ならこれはわざわざ褒めるような話ではなく、報道機関として当然の姿勢なのだが、しかし、菅首相については、朝日や毎日の政治部も歓迎ムードに包まれており、追及が甘くなるのではないかという見方も流れていた。そんな中で、朝日がこうした姿勢を示したことは積極的に評価すべきだろう。
国民が菅政権の民主主義破壊を厳しく批判する一方で、こうした筋を通したメディアに対して後押ししていけば、後に続く動きを生み、政権の暴走を抑え込むことにつながるはずだ。
(編集部)
最終更新:2020.10.05 10:00