最近は一般企業でも、上司が部下を飲みに連れ回したり、取引先を接待することが少なくなっているというのに、なんという時代遅れ。しかも、これでは、たとえば、物理的に飲み食いすることが難しい人、金を持たない政治家は永遠に総理大臣になれないということだろう。だいたい、この国の総理大臣経験者はすべて男性で、ほとんどが家事や育児を妻に丸投げすることを「内助の功」などと呼び、夜の飲み食いに繰り出してきたのだ。
しかも、問題は国会議員だけでなく、メディアやジャーナリストがそれを当たり前のように語り、正当化していることだ。
そういえば、8月31日の『モーニングショー』では、コメンテーターの玉川徹氏が、田崎氏らの「飲み食いが少ない」発言を受けてこう語っていた。
「僕はね、いままでの話の流れからしてもシンパシーを感じるんですよね。石破さんには。あの、だからやっぱり、自民党組織なんですよ。だから組織のなかで上に上がっていくっていうのは、正しいことを言っている人が上がっていくわけじゃないんですよ。それ以外の、さっき言ったごはん食べるとか、面倒を見るとか、主に人間関係じゃないですか、組織のなかの。
だから僕も、視聴者はこれがいちばん大事だってことを言うことと、社内であちこちでゴマすってっていうことは全然別物で、僕はできないから、そういうことは。だから、いま平社員なんですよ、いま」
玉川氏が出世でないのは別の問題もあると思うが(笑)、少なくとも、メディア自体にも永田町と同じような体質があるから、こういう政治を許してしまっているということは間違いない。
(伊勢崎馨)
最終更新:2020.09.04 11:58