大坂なおみTwitterより
プロテニスプレイヤーの大坂なおみ選手が、警察官による黒人銃撃に抗議し、27日(現地時間)に予定されていたウエスタン&サザン・オープン準決勝をボイコットすることを表明した。
アメリカ・ウィスコンシン州ケノーシャで23日に3人の子どもを連れた29歳のアフリカ系男性ジェイコブ・ブレイクさんが、背後から至近距離で警察官の銃撃を受け、半身不随の重症を負うという事件が起き、抗議の声が再び広がっている。NBAバスケットボールや野球のメジャーリーグなどでも、試合ボイコットの動きが起きている。
大坂選手はツイッターで、英語と日本語で今回のボイコットに込めた反差別の思いをこう表明した。
〈こんにちは、ご存知のとおり、私は明日、準決勝の試合をする予定でした。
しかし、私はアスリートである前にひとりの黒人女性です。黒人女性として、私のテニスを見てもらうことよりも、いま緊急に注意を払うべき重大な問題があると感じています。
私がボイコットしただけですぐに何かが大きく変わるなどとは思っていませんが、白人がマジョリティを占めるテニス界で対話を始めることができれば、正しい方向へ向かっていくための一歩になると考えます。
警察の手により黒人が虐殺され続けるのを目にすることは、正直言って、吐き気がします。
数日ごとに新しいハッシュタグが生まれることに疲れきっていますし、何回も何回も同じ話を繰り返していることにヘトヘトです。いったいいつまで繰り返されるのでしょうか。
#JacobBlake, #BreonnaTaylor, #ElijahMcclain, #GeorgeFloyd〉
(英語バージョンを編集部で翻訳したもの)
大坂選手といえば、今年5月25日、ミネソタ州ミネアポリスでジョージ・フロイドさんが警察官に殺害され、差別抗議運動が全米各地で行われたときも、ツイッターなどで繰り返し差別への抗議を熱心に発信し、路上の抗議運動にも参加していた。
自身が差別への抗議を表明するとともに、繰り返し大坂選手が訴えていたのは、差別をなくすために、沈黙するのではなく、もっと多くの人に発言してほしい、動いてほしいということだった。
大坂選手はその後も反差別の発信を続け、7月にも「Esquire 」のインタビューに応じ、ジョージ・フロイドさんの死の数日後にミネアポリスに飛んでいたことを明かし、「差別主義者でない」というだけでは、十分じゃない。私たちは「反差別主義者」でなければならない」と語っていた。
本サイトでは6月6日に大坂選手の差別への抗議や、日本の人々への協力の呼びかけについて記事にした。大坂選手の一連の発言を以下に再度掲載するので、差別とどう向き合うべきか、あらためて考えてもらいたい。
(編集部)