吉村知事は、いまごろになって「水道水でのうがい」や「塩水でのうがい」との比較検証もこれから行いたいなどと話していたが(『ひるおび!』6日放送)、よくこれで「ポビドンヨードでコロナに打ち勝てる」などとドヤ顔で発表したものだ。
しかも、吉村知事のやったことはたんにずさんな実験結果を口にしたというだけで済む話ではない。4日の会見直後には、大阪のみならず日本中のドラッグストアからうがい薬が消え、買い占めが起こり、高額転売する者まで現れている。ポビドンヨードが必要な人までが入手困難という事態も起きている。さらにポビドンヨードを使ったうがい薬は妊婦や甲状腺に異常のある人などには注意が必要だが、誤った用法で事故が起きる可能性も懸念される。
そう、デタラメな発表が、消費の混乱と健康被害の危険性を生み出しているのだ。これはハッキリ言って、デマ扇動そのものだ。コロナ感染拡大初期に、「お湯でコロナ感染予防」というデマ情報がSNSで拡散され大きな問題になったが、買い占めや副作用の危険性なども考えれば、「ポビドンヨードがコロナに効く」発表のほうが悪質性が高い。
ところが、当の吉村知事や松井知事は、自身の勇み足を反省するどころか、完全に開き直っている。
吉村知事はなんと、翌5日の会見でこんな小学生みたいな反論を口にしたのだ。
「誤解されてはいけないことだが、うがいをすることで、体内に広がっているウイルスを抑えたり、予防できたりするわけではなく治療薬でもない。感染を防ぐ効果が認められたわけでもない」
「予防効果があるとは、ひと言も言っていない。ぼくが感じたことをしゃべり、『それは間違いだ』と言われたら、ぼく自身、言いたいことが言えなくなる」