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久米宏がTBSラジオの最終回で何も語らなかったのはなぜか? 圧力説がささやかれる中、その過激発言を振り返る

『久米宏 ラジオなんですけど』(TBSラジオ)HPより

 久米宏がパーソナリティを務める『久米宏 ラジオなんですけど』(TBSラジオ)が6月27日、ついに最終回を迎えた。安倍政権を真っ向から批判する番組がまたひとつ消えたわけが、放送前から注目されていたのは、その最終回で久米が何を言うか、だった。

 というのも、高い聴取率を誇る同番組がいきなり終了するという事態に「上層部に圧力がかかったのではないか」という見方が流れていたうえ、番組終了が発表された後の内容がどんどん過激になっていったからだ。

 残り3回となった6月13日放送回では、田中眞紀子・元衆院議員をゲストに招いて、持続化給付金問題から自民党と電通の癒着を指摘、安倍首相が米国のいいなりになっている背景として、祖父・岸信介がA級戦犯で逮捕されながら米国との密約で無罪放免になったという疑惑にまで踏み込んだ。

 また、前回、20日の放送回では、沖縄県の玉城デニー知事をゲストに、辺野古新基地建設についてこう憤った。

「県民投票があって、あれだけ多くの人が反対だっていうのに、平然と、しかも最近、土木関係者の論文みたいなのがあって読んだんですけども、土壌が事前の調査よりもはるかに弱くてちょっと不可能じゃないかと、あそこに、飛行場、滑走路を造るのはですね。それをいつできるかわからないのに、無理やり再開するって、メンツのために工事を始めるとしか思えないんですけど」

 そして、日本政府が「基地の問題は日本国の安全保障の問題だ」として沖縄の口を塞ごうとすることについても猛然と批判、故・筑紫哲也が沖縄独立論を語っていたことを紹介し、「沖縄はね、絶対独立すべきなんだよって話がね、冗談とはとても思えなくなって。特にアメリカ軍基地の問題に関しては、日本政府から本当にいじめにあってるとしか思えないんです」と語った。

 最終回では、こうした久米節がさらに過激になったうえ、番組終了についても爆弾発言が飛び出すのではないかと言われていたのだ。

「TBSラジオでは政権批判に踏み込んでいた『荒川強啓デイ・キャッチ!』も打ち切りになりましたし、久米の番組も政権からの圧力で終わらされたのではないか、と言う噂が流れていた。また、久米はオリンピックや電通批判を徹底的にやっていたので、政権ではなく電通かスポンサーの圧力という説もあった。最終回では、こうした内情を久米が暴露するのではないかと思われていた」(スポーツ紙記者)

 しかし、結論から言うと、最終回は厳しい政権批判も、番組終了の内情暴露も飛び出すことはなかった。それどころか、久米は最終回を迎えての思いやこれまでの回顧、総括すらほとんど語らなかったのだ。

 冒頭、パートナーの堀井美香アナウンサーが最終回であることを告知して「なんでやめるんでしょうね」と口にしてもスルー。その後、リスナーからのメールを読み上げていくのだが、最終回であることに言及したメールには一切反応せず。後半、伊集院光をゲストに、ラジオ論などが展開されたが、その際も、番組じたいが最終回を迎えたことにはほとんど言及しなかった。

 唯一、最終回らしかった部分があったとすれば、最後に「でもこれでお別れってわけじゃありませんからね。またチャンスがあったらいつか、そのうち。ぜひ」と語ったことくらいだろう。

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