そもそも、このタイミングで安倍首相を番組に出して語らせること自体、安倍首相を救うためとしか思えなかったが、フタを開けてみると、最初から最後までやっぱり「安倍首相をかばい励ます会」でしかなかったわけだ。
しかし、これで橋下氏の立ち位置ははっきりしたといえるだろう。冒頭でも指摘したように、橋下氏については、国民民主党などが日本維新の会と統一会派を組んだ上で、橋下氏を総理候補に担ぎ上げるべくアプローチをしていたという情報もあった。このところ、橋下氏がやや安倍政権批判を強めているのも、安倍政権が末期的状況になったことを察知して、維新を引き連れて野党と組む方向に向いている表れではないかと言われてきた。
だが、今回の対談で、橋下氏は相変わらず安倍首相の方向を向いているということがはっきりわかった。今後も安倍首相の権力を維持させ、維新と安倍自民党を連携で強力な改憲勢力を形成し、改憲を実現させる腹づもりなのだろう。いや、それどころか、政界ではこうした見方も流れている。政治評論家が語る。
「橋下氏が一部野党とも話し合いを続けているのは事実。しかし、今回の番組をみていると、橋下氏と安倍首相の間で、”ポスト安倍“もしくは“岸田文雄首相の次”に、橋下氏か吉村洋文・大阪府知事を総理候補に立てる、という計画もあるんじゃないかという気がしましたね。実際、そう動けば、安倍首相はその後も影響力を行使し、憲法改正を実現できる可能性が一番近い。橋下氏もそれを念頭に、今回、安倍首相を救おうとしたんじゃないか」
しかし、森友・加計、「桜を見る会」、河井夫妻への1億5000万円を「違法性はない」などと言い続ける人物が、この国の権力をとったらどうなるのか。結局、安倍首相と同じ、政治の私物化、独裁、極右政治がエスカレートするだけだろう。いい加減、国民はイメージだけの詐術に懲りるべきだと思うのだが……。
(編集部)
最終更新:2020.06.23 12:49