しかし、こうした河野バッシングはまやかしだ。このイージス・アショア配備停止問題でもっとも責任を問われるべきべきは、停止を決断した河野防衛相ではなく、導入を決断した安倍首相だろう。
本サイトでも何度も追及してきたように、もともとイージス・アショアはトランプのセールスに対し、安倍首相がホイホイと応じた“貢物”。購入決定の同時期、すでに日本政府は同性能のイージス艦8隻体制を進めており、イージス・アショアの配備は不要なのではないかと指摘され続け、米国のシンクタンクが“日本配備の目的は米国の防衛コスト節約”であると暴露し(詳細は横田一氏連載を参照https://lite-ra.com/2019/07/post-4831.html)、昨年には候補地の検討結果に実態よりも過大なデータが盛り込まれていることなど選定の杜撰すぎる実態が明らかになって、参院選では配備反対を訴える候補者が当選し民意があらためて示されても、なお、安倍政権は方針を変えようとしなかった。
しかも、安倍首相はいまになって「これまで地元の皆様に説明してきた前提が違った以上、これ以上進めるわけにいかないと、われわれはそう判断した」(16日)などと殊勝ぶってみせているが、実際は、ぎりぎりまで停止を拒否していた張本人なのだ。
「15日夕方まで発表を遅らせたのも、配備中止ではなく『停止』という中途半端なものにしたのも、官邸の意向です。自民党が強硬な姿勢を見せれば、安倍首相がまたそちらに流れて、計画を復活させる可能性だってゼロではない」(前出・官邸担当記者)
この国の国民を守るためには、とにかく一刻も早くこの男を総理の椅子から引きずりおろすしかない。
(野尻民夫)
最終更新:2020.06.18 11:44