小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

「イージス・アショア停止」の裏で何があったのか? 配備中止を主張する河野防衛相と拒否する安倍首相・官邸の暗闘!

 防衛省担当記者が停止をめぐる舞台裏を解説する。

「今回のイージス計画停止は、ほぼ河野大臣の独断といっていい。河野大臣は問題発言も多いし、とくに内閣に入ってからは安倍首相に合わせたタカ派的言動も目立つが、一方で、無駄遣いには厳しく、原発問題で見せたように安全性の問題も敏感。だから、イージス・アショアにもかなり懐疑的で、防衛大臣になってしばらくしてから、官僚に命じて、ブースターの住宅地落下の危険性や改修にかかる期間と費用などを徹底調査させた。その結果、やはり落下の危険性があり、改修にはものすごいコストがかかるとわかったため、その調査結果をもって、安倍首相に直談判したんだ。しかし、イージス・アショア導入を決めた安倍首相と官邸は当然ながら、首を縦に振らず、防衛省内でも『いまさら後戻りできない』という意見が大勢を占め、河野大臣は完全に孤立していた」

 当初は、配備中止に向けて動く河野大臣に対して揺さぶりをかけるような情報戦も仕掛けられていた。それが、前述した読売新聞5月6日付朝刊の「政府がイージス・アショアの秋田配備を断念する方向で検討に入った」という報道だ。

「あの時点で、安倍首相はまだ、イージス・アショア停止に同意していなかった。読売の記事はおそらく、官邸か防衛省が情報をリークし、河野大臣の動きを止めようとしたんだろう。河野大臣もそれがわかっていたから『フェイクニュースだ』などと過剰反応したんじゃないか」(前出・防衛省担当記者)

 それはともかく、河野防衛相はその後もイージス・アショア中止を譲らず、安倍首相・官邸と交渉を続けたらしい。今度は官邸担当記者が語る。

「河野大臣はパフォーマンス好きだし、一度言い出したらテコでも動かないところがあるからね。計画中止を拒否する官邸サイドにかなり強硬に迫ったようだ。『停止はしなくても、改修に莫大なコストと時間がかかるという調査結果は発表する』と脅したとの説もある。それで、安倍首相も折れざるを得なかったんだろう。検察庁法改正問題をみてもわかるように、安倍首相はこのところ明らかにやる気を失っていて、面倒になるとすぐ『じゃあ任せる』と丸投げするようになっているからね。それと、今回は菅義偉官房長官が河野大臣に加勢したらしい。安倍首相との関係が冷え切っている菅官房長官は、とにかく安倍首相が後継指名しようとしている岸田文雄政調会長だけは避けたい。それで石破さんなどほかのポスト安倍候補に急接近しているんだが、河野大臣にも同じような理由で今回、貸しをつくったということじゃないか」

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。