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河井克行前法相の事件で検察が東京の“緊急事態宣言解除”の直後に「逮捕許諾請求」の方針! 一方、安倍マネー追及を恐れる官邸は

河井克行ブログより


 今国会での強行採決が見送りになった検察庁法改正案。しかし、これ、やはり安倍首相が民意を汲み取ったわけではなかったらしい。

「大きかったのはやはり、松尾邦弘・元検事総長ら検察OBから意見書が出されたことです。松尾元総長は検察OB のなかでももっとも影響力があると言われている。そんなOBが『ルイ14世を彷彿』という辛辣な安倍政権批判を出したことで、法務・検察の空気が一変してしまった。官邸もこの空気を察知して『このまま強行採決すれば、検察が本気で牙をむきかねない』と判断したようです」(全国紙政治部記者)

 官邸が恐れているのはもちろん、河井克行・前法相の公選法違反事件の捜査だ。妻・案里氏が出馬した昨年7月の参院選をめぐり、広島地検は河井前法相が地元議員らに現金を配ったとする買収容疑の立件に向けて捜査を着々と進めてきた。

「少なくとも広島地検は河井を逮捕する気満々でした。13日に共同通信が『河井前法相から地元議員らに1000万円前後配布』と報じたのに続き、16日にはNHKが新たに『地元の県議会議員や後援会幹部など数十人に対して合わせて2000万円を超える現金を渡していた』と報じましたが、これも広島地検のリーク。相当なところまで証拠を固めていると考えて間違いないでしょう」(司法担当記者)

 一方、安倍政権はこれまで、この広島地検の動きを恐れ、必死で捜査を止めようとしてきた。黒川弘務・東京高検検事長の定年を延長させ、検察庁法改正案の強行採決をゴリ押ししていたのも、河井捜査を牽制することが最大の目的だったと言われている。

「検察庁法改正案に対して国民から抗議の声が上がるようになったあとも、官邸は法務省に圧力をかけ続けており、官邸と法務省・辻裕教事務次官との間で“検察庁法改正案をそのまま通すが黒川検事長は検事総長にしない、その代わりに、河井前法相は逮捕ではなく、在宅起訴とする”という裏取引が進んでいると言われていた。辻次官は黒川検事長の子飼いで、“ミニ黒川”と呼ばれる政治的な振る舞いをする法務官僚だから、官邸側に立って、かなり動き回っていたようだ」(検察関係者)

 もっとも、この裏取引も松尾元検事総長らの意見書によって検察庁法改正案採決と一緒に吹き飛んでしまった可能性が高い。前出の検察関係者が語る。

「広島地検も一時は、在宅起訴やむなしという判断に傾いた時期もあったようだが、松尾元総長らの意見書、検察庁法改正案見送りで、完全に息を吹き返した。いまは国会会期中に河井前法相の逮捕許諾請求をする方針を固めている。タイミングは、コロナの自粛状況を配慮して、東京の緊急事態宣言が解除になった直後、と考えているようだ」

 緊急事態宣言が解除された後、という条件がついているとはいえ、国会会期中に逮捕許諾請求をして河井逮捕に踏み切る予定だというのだ。

もし本当にそうなったら、それこそ安倍政権の存亡に関わる事態になりかねないだろう。というのも、本サイトでも繰り返し指摘しているように、この買収の原資となったのは、安倍首相の後押しで自民党本部が出した“安倍マネー”1億5000万円だからだ。

「しかも、河井事務所には安倍首相の地元事務所から秘書が4人も派遣され、選挙運動の指南を行なっていたことがわかっている。また、真偽のほどははっきりしないが、過去に安倍首相の地元事務所と暴力団の関係をスクープするなど、地元事務所の内幕に詳しい『アクセスジャーナル』が河井陣営に渡っていた1億5000万円の一部が首相の事務所に還流していたという疑惑を報じていたのも気になる。いずれにしても、国会会期中に河井逮捕となれば、自民党や安倍首相周辺の責任問題と疑惑が一気に噴き出すのは必至で、下手をしたら倒閣の動きにつながりかねない」(週刊誌記者)

 そのため、官邸はいまも、国会会期中の逮捕だけはなんとしても止めようと、検察への圧力と懐柔に必死だという。また、永田町では、河井前法相を逮捕させないために、官邸が東京の緊急事態宣言解除を遅らせるのではないかとの憶測まで飛び出している。

 状況は予断を許さないが、いずれにしても、河井前法相の捜査をめぐっては検察、官邸の両方の動きに目を光らせる必要がありそうだ。

最終更新:2020.05.20 03:29

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