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「コロナの犠牲でなく、えらい人が考えた基準の犠牲になった」という遺族の訴えに加藤厚労相が“国民の判断の目安にすぎない”と開き直り

 見直すと言っているものの、実質的には「37.5度以上が2日以上」と前と同じような縛りがある中身になってしまうのではないか。こう疑義を呈した柚木議員は、「(加藤厚労相は)外ではいろいろ喋られているが、ここは国会ですから、度数の数字は外す、日数も入れない、あるいはそうじゃない、どちらかくらい見通しをここで答えて」と追及。しかし、答弁席に立った加藤厚労相は、こう切り出したのだ。

「私、それ外で喋ったことないんで。私は外で喋ったことはありませんから、そこははっきりさせておきたい」

 何を言うのかと思えば“それはフェイクだ!”って……。しかもこれは嘘だ。実際、加藤厚労相が目安の見直し方針を示したのは、6日午前、神奈川県の医療施設で視察をおこなったときの記者の囲み取材でのことだからだ。

 その上、加藤厚労相は「専門家会議に出した資料では『37.5度』という言葉は出ていない」と抗弁し、またも逆ギレしてみせたのだ。

「(柚木委員のように)『じゃあ高熱は何度ですか』と訊かれるんですね。じゃあ、また今度は高熱を調べるのか。まさにそこはずっと、これは本当に、一方でこう言うとですね、必ず『基準を示してくれ』(と言われる)。で、基準を示すとですね、『それじゃなきゃダメなのか』。そのやりとりをずーっとじつは繰り返している部分もあります」

 なんでもかんでも“野党のせい”にする加藤厚労相だが、問題なのは「高熱というのは37.5度以上のこと」だと厚労省が隠れた基準を設けるつもりなのではないかということだ。だいたい、加藤厚労相は6日の囲み取材の際、「平熱は人によってそれぞれ」と述べているのだが、ならば「高熱」「発熱」などという判断が分かれる基準ではなく、「いつもより熱が高くて不安な人はすぐに相談してほしい」と言えばいいだけ。それも言えないのは、いまだに検査を抑制しようとしているのではないか。

 この無責任極まりない答弁を受け、柚木議員は「検査機関がこれに基づいて運用して、実際に断っているんですよ! これわかっていなかった国民のみなさんが悪いんですか? 勝手に運用した検査機関が悪いんですか? それで何人の方が亡くなっているんですか!」と怒りをあらわに。「ご遺族の方は『あのとき自分が検査をしてもらえるようもっとお願いしていれば』と自分を責めている」と言い、“泣きながらPCR検査を頼んだにもかかわらず断られ、発熱から6日後に検査は受けられたものの、即入院で呼吸困難に陥り、3日後に死亡”した遺族による、こんなコメントを読み上げた。

「私たちはコロナの犠牲者ではありません。どこかの偉い人たちが考えた基準によって、父や家族は犠牲になっています」

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