しんぶん赤旗 日曜版(4月19日号)より
またしても、あの人の行動に大きな批判が集まっている。安倍首相の妻・昭恵氏が大分県への“スピ旅”を楽しんでいたことを、本日発売の「週刊文春」(文藝春秋)が報じたからだ。
記事によると、昭恵氏は3月15日、総勢50人ほどの団体で大分県にある宇佐神宮や宇佐神宮の元宮・大元神社を参拝。目撃した人によると昭恵氏はマスクも付けず、お祓いや祈祷の際も密着して着席していたという。そして、昭恵氏が参加したのは、「ドクタードルフィン」「変態ドクター」などと自称し、ヘイト出版社である青林堂からも『神ドクター』『神医学』などの著書を出版している医師の松久正氏によるツアーだったというのだが、その松久氏は「週刊文春」の取材に対し、こう語っているのだ。
「どこでツアーをお知りになったのかは分かりませんが、昭恵さんから『コロナで予定が全部なくなっちゃったので、どこかへ行こうと思っていたんです。宇佐神宮へは前から行きたかった。私も参拝していいですか』とご連絡をいただきました。ツアーそのものには参加しておらず、参拝だけ合流した形です」
言わずもがな、政府は「不要不急の外出は控えて」と国民に呼びかけ、昭恵氏が宇佐神社を訪れた3月15日の前日には、夫である安倍首相が「いま私たちにできることは、まず感染の爆発的な拡大を抑えること」「引きつづき、おひとりおひとりのご協力をお願いいたします」と会見で訴えていた。だが、昭恵氏は政府の呼びかけなどどこ吹く風で、「コロナで予定が全部なくなっちゃったので、どこかへ行こうと思っていたんです」などと言って大分行きを決行したというのである。
昭恵氏といえば、3月の下旬にもNEWSの手越祐也やモデルの藤井リナなど十数名でライトアップされ美しく咲き誇る桜の木をバックに撮影した“花見写真”が報じられたばかり。安倍首相はこの問題を国会で問われると、「レストランで知人と会合を持った際に桜を背景にみんなで記念写真を撮っただけで、東京都が自粛を求めている公園で花見をおこなっていた事実はない」と強弁し、「レストランに行ってはいけないのか」などと逆ギレ。この時点ですでに政府の専門家会議は立食パーティや飲み会を避けるように呼びかけていたのだが、そうしたことは無視して、安倍首相は妻の振る舞いを“何が悪い”と言わんばかりに擁護したのである。
しかし、都内での会食どころか、「コロナで予定が全部なくなっちゃった」「前から行きたかった」などという理由で東京から大分県まで旅に出ていたとは……。というか、安倍首相は国民に何か言う前に自分の妻を止めろよ、という話だろう。
だが、安倍首相に、昭恵氏の“行動是正”を求めることなどできるはずはない。安倍首相はむしろ、昭恵氏のとんでもない行動を、権力を使って後押ししているのが実情なのだ。
じつはここにきて、その安倍夫妻による公私混同連携プレーを決定づけるスキャンダルが飛び出した。安倍首相夫妻との関係が疑われているマルチ企業・48(よつば)ホールディングス(以下、48HD)の淡路明人社長(当時)が、なんと、「桜を見る会」に参加した際、「安倍晋三後援会」のバスに乗車して会場に入場していたことを、「しんぶん赤旗 日曜版」4月19日号が掴んだからだ。