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検査拡大を訴える大谷クリニック院長が『モーニングショー』から消えた! 上念司の卑劣”デマ”攻撃、検査不要派とネトウヨの電凸が

 だが、彼らが発信してきた検査拡大論は、けっして間違いなどではない。現に、日本のPCR検査の少なさには海外の専門家からも厳しい意見が集まっているからだ。

 たとえば、感染症の世界的流行に詳しい米ジョンズ・ホプキンス大学のジェニファー・ナゾ上席研究員は「適切な検査ができなければ、対処能力が著しく制限される」とし、PCR検査数について「韓国は、現時点で約20万以上。(日本の)数字は低い」「ウイルスがどこに、どの程度あるのかをよりよく分かるよう、検査の拡大に努力することが大事だ」と指摘している(朝日新聞デジタル14日付)。

 さらに、米ブルームバーグは13日に、感染が拡大する欧米がアジアの国々の経験から学べることは何かとまとめた記事を出したが、各国の感染者数を示したグラフには日本のデータが見当たらない上、〈日本は、十分な検査をしていないことが、多くの未検査の感染者を隔離・検疫されないままにしウイルス拡大の可能性を高めている、として批判を呼んだ〉と言及されている。

 これだけではない。WHOの緊急対応責任者であるマイク・ライアン氏は、11日の記者会見で「感染していそうな少数の人しか検査をしないのであれば、前に進めない」と述べた上、こうも発言している。

「検査の条件を症状がある人や一定の年齢以上に限り、いまだに中国への渡航歴に結びつけている国がある」
「感染拡大と闘う早い段階で、感染者に接触した人の特定をあきらめようとした国もあった」
「いくつかの国は市民とうまく意思疎通ができていない」

 ライアン氏はこうした対応をおこなっている国名に言及することはなかったが、あきらかにこの指摘に日本が当てはまることは言うまでもない。そして、こうしたことを問題点として俎上に載せてきたのが、『モーニングショー』および岡田教授、大谷医師だったのだ。

 世界各国では、積極的な検査拡大で感染拡大を食い止めつつある韓国をモデルに、検査拡大の動きがどんどん広まっている。アメリカでも全国民に無料で検査を提供すると14日にペンス副大統領が発表し、検査体制の遅れを批判されていた米国立アレルギー・感染症研究所所長も「準備は整った」と強調。海外では検査拡大がスタンダードとなりつつあるなか、日本の検査抑制には批判や疑義の声が上がっている。にもかかわらず、日本のメディアやコメンテーターはどんどん検査不要論へ転向していっている。

 たとえば、『スッキリ』(日本テレビ)では、孫正義・ソフトバンクグループ会長兼社長がPCR検査の100万人無償提供を表明・撤回した件を取り上げた際、司会の加藤浩次が「当初PCR検査、韓国ではいっぱいやっていて、じゃあ日本で何でできないんだって、僕なんかもこの番組で言いました。だから、たぶん僕なんかの考え方もすごく間違っていて、これあきらかだと思うんですが、やればいいってものじゃないっていうことがわかってきた」などと発言した。

 さらには、松本人志が15日放送『ワイドナショー』(フジテレビ)で「感染者数を毎日のようにニュースで言うのも、もういいんじゃないかな」とまで言い出した。安倍応援団やネトウヨにかぎらず、「日本は安全だ」と信じたい人たちが現実を直視せず正常性バイアスに逃げ込み、不安になる情報を思考停止でシャットアウトするか、あるいは攻撃に転じているのだ。

 昨日16日に発表された共同通信の世論調査では、内閣支持率が先月の調査よりもなんと8.7ポイントも上昇して49.7%となった。これは、ワイドショーや報道番組が攻撃を恐れて安倍政権による新型コロナ対応への批判を萎縮させた結果でもある。このままでは、本来なら守られた国民の生命が、どんどん危険に晒されつづけてゆくことになるのは間違いない。

最終更新:2020.03.17 01:15

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