いまこそリーダーシップを発揮すべきときなのに、それをしようとしない安倍首相──。いや、先が思いやられるのは、安倍首相はいまだにこの新感染症に対して危機感を持っていないのではないか、ということだ。
現にきょうの衆院予算委員会では、共産党の藤野保史衆院議員が、現在政府が決定している緊急対策費総額153億円では少なすぎるとし、PCR検査体制の強化など必要な対策のためには予算の組み替えが必要だと提言した。たしかに、シンガポールでは新型コロナ対策で約5000億円も計上していることを考えれば圧倒的に少ないのは明白なのだが、しかし安倍首相は、はっきりとこう言い切ったのだ。
「経費と今年度予備費を活用することでですね、何よりも国民の健康と命を守ることを最優先に必要な対策を躊躇なく実行していくことが可能と、こう考えています。その上で、来年度予算については、現時点でこうした経費に直ちに不足が見込まれる状況ではありませんが、今後の影響にもしっかり目配りしながら注意深く対応していく所存でございます」
現時点で生活補償策も打ち出せていないというのに、安倍首相は153億円で事足りると言ってのけたのである。
PCR検査の拡大や休業補償など国民の健康と命を守るために必要な措置が山積みなのに、それを直視しない安倍首相──。責任を丸投げする昨日の基本方針でもあきらかだったが、もうこれではっきりしただろう。これ以上、安倍政権に危機管理を任せていては、本当にこの国は大変なことになる。そのことだけは確実だ。
(編集部)
最終更新:2020.02.26 11:49