実際、このプロジェクトは早速、馬脚を現している。10日、Twitter Japanの公式アカウント「Twitter 政治」が、JCとのパートーナーシップ協定締結を報告。続けて、〈日本青年会議所のメディアリテラシー確立委員会@medialeteracy20がこれから毎週、リテラシーの理解やモラルを高めるのに役立つ情報をツイートしていきますので、皆さん是非フォロー&積極的に会話に参加してください〉と、メディアリテラシー確立委員会の「情報を見極めよう!」なるアカウントへのフォローを呼びかけたのだが、この「情報を見極めよう!」アカウントの偏りがひどいのだ。
津田大介氏によると、このアカウントが立ち上がった当初、全ツイートした8件のうち、3件が高須クリニック・高須克弥院長投稿のリツイートで、1件は産経新聞の記事のリツイートだったという。さらには、この事実を指摘してパートナーシップに疑問を投げかけた津田氏に対して、JC幹部がつぶやいた〈津田大介が発狂しているけど〉などというツイートをリツイートする始末だった。
批判が殺到したことから、現在は高須院長と津田氏攻撃のリツイートは取り消し、その後朝日新聞や毎日新聞をフォローし始めたりと取り繕っているが、リテラシーといいながら、偏った思想の押し付けアカウントであることが丸出しになったのだ。
まったく唖然とするが、笑い事ではない。TwitterがJCと組むということは、トンデモアカウントがひとつできたというだけの問題ではないからだ。
Twitter Japanは、今回、JCとのパートナーシップに非難が殺到していることを受けて、ねとらぼの取材に対してこう弁明している。
「今回のパートナーシップは日本青年会議所が所属する団体向けに展開するソーシャルメディアのリテラシー教育を支援するというもので、政治的な活動を後押しするものではございません。また日本青年会議所は政治団体ではございません」
また、「宇予くん」騒動についても、過去所属メンバーによる発言が問題視されたことは把握しており、その点についても先方と協議し「過去の過ちを改めたうえで、信頼回復に努めたいと考えている」とのことで、リテラシーの教育の必要性をご理解いただいていると判断いたしました」としている。
だが、これは明らかなゴマカシだ。JCは中曽根康弘、小渕恵三、森喜朗などの首相経験者、現役政治家では麻生太郎財務相、下村博文・元文科相、石原伸晃・元経済再生相、萩生田光一文科相、平将明・内閣府副大臣ら自民党の幹部議員を輩出しており、もともと政治色、それも右派的傾向極めて強い。しかも、2006年の第一次安倍政権誕生の前後から、さまざまなメディアや集会で安倍首相と日本会議系の学者らの主張をそのまま垂れ流しするようになり、完全に改憲・歴史修正の極右団体と化し始めた。