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「だったら結婚しなくていい」ヤジの犯人は杉田水脈議員か!「夫婦別姓はコミンテルンの陰謀」と主張したことも…性差別肯定の極右思想は安倍首相と同じ

 その“男尊女卑”は筋金入りで、「保育園落ちた日本死ね」ブログが話題になった際にも、自己責任論を展開しながら、夫婦別姓やLGBT支援を一括りにして「家族崩壊を狙ったコミンテルンの陰謀」なる妄想を垂れ流していた。

〈子供を家庭から引き離し、保育所などの施設で洗脳教育をする。旧ソ連が共産主義体制の中で取り組み、失敗したモデルを21世紀の日本で実践しようとしているわけです〉
〈旧ソ連崩壊後、弱体化したと思われていたコミンテルンは息を吹き返しつつあります。その活動の温床になっているのが日本であり、彼らの一番のターゲットが日本なのです。
 これまでも、夫婦別姓、ジェンダーフリー、LGBT支援-などの考えを広め、日本の一番コアな部分である「家族」を崩壊させようと仕掛けてきました。今回の保育所問題もその一環ではないでしょうか〉(産経ニュース2016年7月4日)

 他にも、元TBS記者の山口敬之氏からの性暴力を訴え、昨年12月、東京地裁で勝訴したジャーナリストの伊藤詩織さんをめぐっては、2018年のBBCのインタビューで「彼女の場合はあきらかに、女としても落ち度がありますよね」「私はこういうのは男性側のほうが本当にひどい被害を被っているんじゃないかなというふうに思っています」と述べるなど、攻撃していた(地裁判決後も杉田氏は伊藤詩織さんへ一切の謝罪をしていない)。

 今回の「だったら結婚しなければいい」という暴言も、こうした性・ジェンダー差別を根っこにした男尊女卑の思想から出てきたものだろう。

 あらためて強調しておこう。夫婦別姓反対派は「夫婦同姓こそが日本の伝統」「別姓を認めたら日本的な家族が崩壊する」などとほざいているが、そもそも、日本において国民全員が「氏」を名乗らなくてはならなくなったのは明治以降のことで、明治民法によって夫婦同姓が定められたのは1898年、たかだか100年そこらの話である。

 しかも、それは「家族の絆を深めるため」などという理由で決められたのではない。明治民法では戸主を絶対権力者に位置づける「家制度」を定めており、そこでは「氏」を「家」の名称としていたからだ。その家制度の下で女性は圧倒的に地位が低く設定されていた。つまり、夫婦同姓は女性差別の元凶ともいえる家制度の残滓なのである。加えて言えば、選択的夫婦別姓を認めている国で「家族」が崩壊しているのかといえばそんなことはないし、夫婦同姓を強制している日本でも多くの夫婦が離婚している。ようするに、杉田議員の「だったら結婚しなければいい」ヤジは、そうした“ウソの伝統”に依拠した戦前回帰的な言説に他ならないのだ。

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