「出演者のほうが先に下村さんの名前を出した」とはどういうことか。改めて、この日の『朝まで生テレビ』で田原氏の発言の前後のやりとりを再録してみよう。
この日は、言論界からは三浦瑠麗氏、堀潤氏、金子勝氏、田崎史郎氏、政界からは、野党議員に加えて、つい最近まで安倍内閣の閣僚だった片山さつき・元地方創生担当相、そして柴山昌彦元文科相などがパネラーとして出演していた。
まず、堀氏がこの無理な英語民間試験導入について「いちばん関心があるのがどういうロビー活動が行われてこの結果になったのか、ステイクホルダーは誰で、どっちからどういうリクエストだったのかっていうのを、柴山さんに是非お伺いしたい」と訊く。
すると、なぜか三浦瑠麗センセイが割って入り「ここでやっぱりベネッセが入っているということに対して。英検は片山さんがおっしゃったようにTOFELほど難しくなくて、いろんな段階で受けられるというのがあるかもしれないんですけど。やっぱり民間業者で、ベネッセみたいなものが入ってきたときに、英検ほど浸透しているわけではないけれども、除外してくれるなっていうことがあったんでしょ」と、ベネッセの疑惑について語り始める。
これを受けて、田原総一朗氏が「第一ベネッセは、今日ここに持っていないけれども、文科省から天下りがいっぱい降りてる」と言い出し、こう続けたのだ。
「しかも、ベネッセは、柴山に2千数百万…」
つまり、田原氏は「下村」を「柴山」と言い間違えていたのだが、すると、これに片山さつき議員が即座に反応し、「柴山じゃないですよ」と訂正。続いて、当の柴山前文科相も「私じゃない」と否定した。
だが、田原氏はまだ気づかない。すると、今度は画面に映っていない女性の声で「下村さん、下村さん」と、下村元文科相だと訂正するセリフが……。これに一同が爆笑し、複数の出演者が口々に「下村さん、下村さん」と叫び始めた。
これでようやく田原氏も間違いに気がついて「下村、下村に2千数百万円献金してる」と言い直した。片山議員はその後も笑いながら「たいへんだ、たいへん重要な間違い」と田原氏につっこんでいた。