それでも、あくまで安倍政権をフォローしようとする田崎氏。安倍政権が「桜を見る会」の招待者リストを明かさず、記録も破棄されたと強弁するのに対し、天皇皇后主催の園遊会の招待記録が30年間保管され、すべてオープンになっているという違いについて聞かれると、やっぱり「民主党時代もやっていた」を繰り返すのだった。
「まあ、あの、天皇皇后両陛下が行われることと、政党が行われることでは、やっぱりそこは厳しさが全然違いますから。だから民主党政権時代はこうでしたよ、と。で、今はどうなってるんですか、と。そこで比較するとわかりやすいと思いますね」
いちおう突っ込んでおくと、「桜を見る会」は“政党が”おこなっているのではなく、“政府が”おこなっているもので、その公的性格はほとんど変わらないはずだが……。
この調子で、田崎氏の必死な安倍政権擁護のためのスリカエ論法は、続いて出演した『ひるおび!』(TBS)でも同様だった。安倍後援会幹部ら850人が招待されていることについて「度が過ぎてますね、やりすぎだっていうことじゃないかと思いますよ、私ですら」と発言するなど、“安倍御用ジャーナリスト”であることを逆手に取った自虐ネタでスタジオがどよめく場面もあったが、すぐに「法律法律違反では、どうもなさそうですよ。調べてみると」などとフォロー。
さらには、国会で共産党の田村智子参院議員が「『桜を見る会』は参加費無料なんですよ。会場内でも無料で樽酒、その他のアルコール、オードブルやお菓子、お土産をふるまうんですよ。これを政治家が自分のお金でやったら明らかに公職選挙法違反」と追及したことが紹介されると、田崎氏はこんなトンデモな反論をし始めたのだ。
「ただ新宿御苑内は禁酒、酒飲んじゃいけないんで、樽酒をちょっと舐める程度なアレで。アルコールをふるまっているっていうイメージを与えるのは間違いですよ」
そもそも「桜を見る会」の問題は酒をどの程度飲んでいるかの問題ではないが、税金で酒をふるまっているのは事実だ。たとえば、2017年の安倍首相主催「桜を見る会」に出席した人物のブログには、樽酒や山口県の高級日本酒「獺祭」の写真がアップされており、〈高級日本酒の獺祭がズラリと並んでいます!こちらもフリードリンク状態~〉〈さてさて、安倍総理が到着!本会場に向かう通路で握手をしてもらいましたーーー!〉〈昭恵夫人にも握手してもらいました♪〉などと記されている。「樽酒をちょっと舐める」程度どころか、獺祭がフリードリンク状態だったという。
おまけに、和菓子と酒升の写真をアップして〈和菓子のお土産もいただいて夢のような一日でした♪〉と締めくくられていた。血税を使って、政権が選んだ一部の人たちだけにタダで飲食させ、お土産までもたせているわけで、普通に考えておかしいとしか言いようがないだろう。
繰り返すが、「桜を見る会」の問題は、公選法違反や“お友だち優遇”が濃厚な、政権を揺るがす重大疑惑だ。だからこそ、田崎氏のような“御用ジャーナリスト”も、かばいきれないところは一線を引きつつ、世論を「たいした問題ではない」という方向へ誘導しようと必死なのだろう。