澤田氏の“コスト重視論”に業を煮やした玉川氏が「お金はね、原発の事故のコストなんです」「でも、あんまりお金かけたくないんですよ、電力会社にしても国にしても」「原発って事故が起きたらこんなにお金がかかるじゃないか、ってなるのはそもそも嫌なんですよ」とその本質と原発ムラの本音を突く。さらに玉川氏は、政府や電力会社が石棺にしない理由として、「そうすると永遠に残るわけです、原発事故の跡が。そういうふうなことは原発をこれからも続けていくって国にとっては認められなかったんでしょうね」とも指摘した。だが、澤田氏は意に介さず、「トリチウムは自然界に多量にある」などと、繰り返し汚染水の安全性を強弁するのだった。
この「トリチウムは自然界にもある」というのは、汚染水の海洋放出を正当化するために必ず持ち出される話だが、しかし、番組では西尾氏が猛反論。そのレトリックの欺瞞を徹底的に追及したのだ。
「(トリチウムが)自然界にあるっていうのもね、確かにあるんですけど、じゃあ原因は何なんだと言ったら大気中の核実験と原発稼働で垂れ流してるからなんですよ」
「自然界には当然(トリチウムが)できるんです。しかし1950年代に測定された値の1000倍の量が今、出てるんです、自然界に。その原因は大気中の核実験と原発から垂れ流しているトリチウムが原因なんです」
これに対して澤田が、大気中のトリチウム増加は当時の核実験が原因で、福島第一原発の汚染水の中のトリチウムの量はそれよりもはるかに少ない、と反論するのだが、西尾はまったく譲らずに反駁した。
「そもそも核実験をやってない50年代から比べると増えている。1000倍に」
「例えばカナダなんかは原発周辺の健康被害が出たんで、飲料水は20ベクレルになっています。しかしなんで日本は6万ベクレルなんですか? 論外ですよ」