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安倍首相が所信表明で「お前が言うか」発言と嘘連発! 侵略戦争と植民地支配をなかったことにし「100年前日本は人種平等を掲げた」

 たとえば、一昨日には北朝鮮の弾道ミサイルが日本の排他的経済水域内に落下したばかりだが、演説中、以前のようにそれに対する非難を一切発することはなく、「米国と緊密に連携し、国際社会と協力しながら、国民の安全確保に万全を期します」と述べただけ。2017年には北朝鮮の脅威を煽って「国難」と言っていたのに、トランプ大統領がミサイル発射を無視すれば何も言わなくなるという、まさに“トランプの犬”っぷりを証明したかたちだ。

 しかも、安倍首相はこんな嘘を堂々と吐いたのだ。

「航空機によるお墓参りは3年連続で実現し、長門合意は着実に前進しています。領土問題を解決して、平和条約を締結する。1956年宣言を基礎として、交渉を次の次元へと進め、日露関係の大きな可能性を開花させてまいります」
「日米の貿易協定が合意に至りました。昨年9月の日米共同声明に沿って、日米双方にウィンウィンとなる結論を得ることができました」

 北方領土問題では何の進展もみられないどころか、プーチン大統領がこの問題を解決する気がまるでないのは明々白々。にもかかわらず「着実に前進」などと言い張るとは……。日米貿易交渉が「ウィンウィンの結論」というのも真っ赤な嘘で、日本政府は自動車の関税撤廃を果たせなかったばかりか、今回の合意でアメリカに売り渡す農産物市場はなんと約72億ドル(約7800億円)にものぼる。

 デタラメと嘘にまみれた、今回の所信表明演説。しかし、もっとも呆れたのは、演説の終盤で突如ぶち込まれた、1919年のパリ講和会議の話のくだりだろう。安倍首相がどんな話をおっぱじめたのかを以下に紹介しよう。

「『提案の進展を、全米1200万の有色の人々が注目している』。100年前、米国のアフロ・アメリカン紙は、パリ講和会議における日本の提案について、こう記しました。
 1000万人もの戦死者を出した悲惨な戦争を経て、どういう世界を創っていくのか。新しい時代に向けた理想、未来を見据えた新しい原則として、日本は『人種平等』を掲げました。
 世界中に欧米の植民地が広がっていた当時、日本の提案は、各国の強い反対にさらされました。しかし、決してひるむことはなかった。各国の代表団を前に、日本全権代表の牧野伸顕は、毅然として、こう述べました。
『困難な現状にあることは認識しているが、決して乗り越えられないものではない』
 日本が掲げた大いなる理想は、世紀を超えて、いま、国際人権規約をはじめ国際社会の基本原則となっています。
 いまを生きる私たちもまた、令和の新しい時代、その先の未来を見据えながら、この国の目指すかたち、その理想をしっかりと掲げるべきときです」

 まさしく「お前が言うか」という話だろう。現在、安倍政権が国をあげて煽っている嫌韓によって人種差別やヘイトスピーチが横行する事態に陥っているが、その根本的原因は、過去の過ちを認めようとせず歴史を捻じ曲げつづける安倍首相の歴史修正主義にある。実際、昨年8月にも、国連人種差別撤廃委員会は「慰安婦」問題や朝鮮学校の高校授業料無償化からの除外、ヘイトスピーチなどに対し、日本政府に改善するよう勧告している。

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