一刻も早く政治家を辞めるべきである。立花氏の主張は、人間を「賢い人」と「うちの飼っているネコとあまり変わらない人」などに分けて、「人口をコントロール」するために後者を「虐殺しよう」というものだ。
ジェノサイドは、対象の人々を属性でくくり、見下すところから始まる。加害者は自分たちを「優等」と定め、被害者を「劣等」に位置付ける。そうすることで大量殺戮を正当化する。ナチスのユダヤ人迫害、あるいはルワンダ虐殺を振り返ってもわかるように、ジェノサイドと差別扇動はセットで行われてきた。
立花氏は「そんなことするつもりはない」などと言い訳するが、彼の主張は従来の“虐殺の論理”を踏襲している。そして、立花孝志はまがりなりにも公党の党首である。社会的影響力や発信力のある立場であると同時に、政治的権力も持っている。そんな人物が「アホみたいに子どもを産む民族はとりあえず虐殺しよう」などと発言すれば、どうなるか。虐殺と差別を肯定し、煽っていると受け取られて当然だ。
もう一度言うが、即刻、政治家を辞めるべきである。もちろん、立花氏が議員辞職するだけで終わりではない。本サイトでは繰り返し、立花氏のN国と差別主義の親和性を繰り返し伝え、批判してきたが、一方でAbemaTVや一部の週刊誌などは、面白がるかのように、立花氏を出演させたりインタビューを掲載してきた。メディアにもその責任を考えてほしい。
また、国民民主党の玉木雄一郎代表にいたっては、PV目当てで自身のyoutube番組で立花氏と和気あいあいと対談しあまつさえ評価すらしていた。N国をめぐってすでに数々の問題が表面化していた9月中旬のことで、国会議員として公党の代表として、あまりに不見識かつ軽率すぎる。玉木代表はいまのところ、立花氏のジェノサイド扇動発言についてだんまりを決め込んでいるが、即刻なんらかの対応をするべきだろう。
有権者も、あらためて考えてもらいたい。N国に投票した人たちだけの話ではない。あまりにも立花孝志に無防備すぎたのではないか。「変なおじさん」として“ネタ消費”してきたのではないか。彼を国会議員にし、それまでの「ユーチューバー」だった頃の何倍もの影響力と権力を持たせ、いまや民族虐殺の扇動までさせてしまっている。もはや無関係を装うことはできない。彼のやっていることは「売名」でもあるが、だからこそ無視を決め込めば、一層、過激化していくのは目に見えている。その前に、この政治家を止めなければならない。
もうひとつ言っておきたいことがある。それは、「政治家のこの種の発言に慣れてしまってはいないか」ということだ。とりわけ第二次安倍政権の発足以降の風潮だ。