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千葉の復旧遅れ テレビで政府の責任追及がタブーに! 坂上忍は「国より千葉県、森田健作」 羽鳥慎一は「復旧が第一」と批判封じ

 たとえば、18日に時事通信が「政府初動対応に批判 内閣改造で「空白」」という記事を配信し、8月の台風10号では関係閣僚会議を2回開催したのに今回は一度も開いていないなど初動の遅れを検証。菅義偉官房長官は東電を批判しているが、その対応に対しては政府高官も「後手に回ったのは政府も同じ」と述べていることを伝えた。

 しかし、この記事のYahoo!ニュースのコメント欄では、「直ぐに国へと批判を向けるのはどうかと思う」「国よりも千葉県自治体の初動が遅すぎる方が問題」「国というより完全に県の初動ミス」と千葉県に批判が集中。一方、政府の対応に対しては「頑張っている政府を批判ばかりしている」「政府を叩けばなんとかなる訳ではない」などという意見まで寄せられ、SNS上でも「批判するよりまず復旧が先」という意見から「政権を批判したいが為の記事」「災害を安倍叩きに利用している」という“政権批判・批判”までもが起こった。

「国には責任はない。問題は千葉県だ」って、じゃあ国の仕事って何なんだという話だが、言うまでもなく今回の災害対応が後手後手になっている責任は、県だけではなく国にもある。

 実際、これはすでに専門家からも問題として挙がっている事実だ。たとえば、安田陽・京都大学大学院特任教授は、千葉県が災害対策本部を設置したのが10日、経産省の停電被害対策本部の設置が13日だったことにくわえ、〈政府全体の災害対策本部に至っては17日現在も設置されていない〉と言及し、〈大規模災害では電力のみならず、医療や食料の提供、避難場所の確保などさまざまな課題があり、政府や都道府県による対策本部を速やかに設置し、意思決定・情報発信していくことが必要〉と指摘(東洋経済オンライン18日付)。今回の災害対応の問題点をこう述べている。

〈大規模災害時には、正確な情報を得られず不確実性がある中で、意思決定をしていかなければならない。これが「クライシスマネジメント」(最悪の状態を想定した危機管理)の考え方だ。むしろ、国や地方自治体にクライシスマネジメントが欠如していたことこそ問題にすべきだ。〉

 国民の生命と安全を守る責任がある国が、危機管理を放棄し、被災地無視で内閣改造までやってのけた。この愕然とするような現実が目の前で起こったのに、「国は責任ない」と大合唱する──。メディアだけではなく、国民にまで“政権忖度”が浸透してしまったのか。ともかく、異常な状況だと言うほかないだろう。

最終更新:2019.09.19 11:24

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