よくこれで「復興はライフワーク」などと喧伝してきたものだと呆れるが、さらに唖然とさせられたのは、西日本豪雨で懸命な捜索と復旧作業がおこなわれていた最中の昨年7月12日に発した、こんな言葉だ。
「今回の豪雨災害を見ていても、気象予報を含めて衛星の力、これからさらなる精度の向上、そういったことが国民の暮らしを守り、いかに宇宙空間の在り方、環境の在り方が大事かということを改めて認識をした」
進次郎氏は「日本が世界で初めてスペースデブリ(宇宙ゴミ)の除去に成功する国になる」(小泉進次郎オフィシャルブログより)などと宇宙ゴミ除去についてたびたび発信しているが、よりにもよって豪雨災害を引き合いに出し、被災地の深刻な状況が伝えられているなかでそれを主張したのである。
進次郎氏のことをメディアは「情に厚い」などと評しているが、一体これのどこが、と言うほかないだろう。
災害による被害が拡大しているのに自分のアピールに勤しみ、被災地には自己責任を押し付け、汚染水問題に対しても無責任な発言を放つ。メディアは進次郎氏について「安倍政権の新しい風」「安倍政権にも物申す人物」と論評しているが、むしろ進次郎氏は「極めて安倍政権的な人物」なのである。
実際、進次郎氏は「安倍政権にも物申す」というイメージを振りまきながら、一方で肝心なところではしっかり安倍首相をアシストしてきた。
たとえば、加計学園問題で「総理のご意向」文書が見つかって世間を賑わせていた2017年6月に日本記者クラブでおこなわれた記者会見では、進次郎氏は加計学園問題について「国家戦略特区潰しをしてはいけない」「私は国家戦略特区、賛成です」と述べたあと、こうつづけた。
「この問題を見ていて思うのは、やっぱりフェイクニュースの時代ですね。何が本当で、何が嘘か。一連の報道を見ていても、わからない」
「日本にもフェイクニュースは蔓延している」
加計学園問題はフェイクニュースだ──。つまり、進次郎氏は安倍応援団たちとまったく同じ主張を繰り出していたのだ。