さらに橋本氏は、ソチオリンピックの閉会式が終わった後に選手村でおこなわれた打ち上げパーティーでフィギュアスケートの高橋大輔選に抱きつき何度も強引にキスをしたと写真付きで「週刊文春」に報じられている。都合よく選手を政治利用し、権力を利用した悪質なパワハラ・セクハラまでおこなった人物を東京五輪・パラ担当相にしてしまうとは驚愕だ。
マルチ商法の広告塔にセクハラ、パワハラ、脱法献金、闇ガネにタカリ疑惑……。そもそも、これら初入閣の大臣たちだけではなく、経産大臣から外務大臣に横滑りした茂木敏充氏は、昨年、公選法違反の“手帖配布”問題が持ち上がっており(詳しくは過去記事参照)、もはやこの安倍新内閣は “スキャンダル・疑惑のデパート”というべき状態なのだ。
だが、驚くべきは、このほかにも“危ない”大臣がいるということだ。
じつは、昨日、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)に出演した田崎史郎氏が、「『この人いれちゃうの?』という人が3人くらい入っている」と言い、初入閣である田中和徳復興相と竹本直一科学技術担当相、北村誠吾地方創生担当相の名前を挙げたのだ。
田崎氏は「長く入れなかった人には、それなりの理由があるんです」と思わせぶりに語ったが、御用ジャーナリストの田崎氏でさえツッコまざるを得なかったということは、今後、この3人の疑惑・スキャンダルが出てくる可能性も多いに考えられるだろう。
しかし、問題はメディアの姿勢だ。ちょっと調べれば上記にあげてきたような疑惑・スキャンダルはすぐにわかるし、だいたい高市氏や加藤氏の再任や、加計学園問題のキーマンである萩生田光一氏をよりにもよって文科大臣に引き上げるという常軌を逸した人事は誰の目にもあきらか。だというのに、昨日のワイドショーはそうした問題にツッコミもせず、小泉進次郎の初入閣でお祭り騒ぎ状態に。
さらに、新閣僚の記者会見でも、これまでの疑惑やスキャンダルについて追及をおこなう質問はほとんど飛ぶことがなかった。安倍政権以前ならば、内閣改造後の新閣僚会見では記者が過去の疑惑やスキャンダルを洗い、それについて質問を浴びせることは普通におこなわれていた。だが、そんな当たり前さえ、この国のメディアからは失われているのだ。
大臣の不正や疑惑が持ち上がっても追及もせず、「安倍総理は疑惑がある人を大臣なんかに任命しない」とまで言ってのける。こうした異常な状況があるからこそ、安倍首相は好き勝手に、問題議員たちを堂々と大臣に登用できるのだ。
メディアがこの体たらくでは、この「タマネギ内閣」の疑惑やスキャンダルが報じられることもないのだろう。
(編集部)
最終更新:2019.09.12 02:00