だが、こうした現地法人の声明に対し、火に油を注ごうとしているのは、ほかならぬDHCテレビだった。DHCテレビは14日に「韓国メディアによるDHC関連の報道について」と題した見解を公表。そこでは、韓国デマ・ヘイトを垂れ流してきたことの反省など皆無で、それどころか、こんなふうに堂々と開き直ったのである。
〈今般、韓国のメディアから弊社の番組内容に対し、「嫌韓的」「歴史を歪曲している」などの批難が寄せられていますが、弊社としましては、番組内のニュース解説の日韓関係に関する言説は、事実にもとづいたものや正当な批評であり、すべて自由な言論の範囲内と考えております。韓国のメディア社におかれましては、弊社番組内容のどこがどう「嫌韓的」か、どこがどう「歴史を歪曲」しているのかを、印象論ではなく、事実を示し具体的に指摘いただけましたら幸いです。〉
〈韓国DHCが提供する商品やサービス、現地スタッフと、DHCテレビの番組内容とは直接何ら関係はありません。そうした常識を超えて、不買運動が展開されることは、「言論封殺」ではないかという恐れを禁じ得ません。〉
〈弊社DHCテレビジョンといたしましては、あらゆる圧力に屈することなく、自由な言論の空間をつくり守って参りたく存じます。〉
起こるべくして起こった不買運動に対して「言論封殺」「圧力」とがなり立てる──。DHCテレビといえば、沖縄ヘイトデマを垂れ流した『ニュース女子』が放送倫理・番組向上機構(BPO)から「重大な放送倫理違反があった」「人種差別を扇動」と認定された際も〈ある種の言論弾圧〉〈誹謗中傷〉だと反論したが、今回も同様の態度に打って出たのだ。
また、15日の『虎ノ門ニュース』では、DHCテレビの山田晃社長が登場し、DHCコリアの謝罪文について「DHC本社はオーソライズしていない。先行して出されたもの」と主張した。
山田社長は「(謝罪文を)出さざるを得なかった状況というのがですね、『全員殺す』というような脅迫電話が複数回あったそうで」「これを出したあとに警察に保護されながらみなさんご帰宅なさった」と説明。こうつづけた。
「番組を応援してくださっているみなさまのなかから『謝るのはいかがか』と、『がんばれよ』という話もあったんですけども」
「こういうことってやられてみないとわからないんですが、殺すのなんのと言われると」
「(DHCコリアが謝罪したことは)ここはご容赦願いたいなと」
だが、JTBCは同日、ニュース番組のなかでこの山田社長の主張の裏付けをとるために警察に取材。すると、韓国の警察にはそのような出動の記録はなかったという。
DHCテレビ側は「脅迫電話があって警察に保護された」と言っていたのに、韓国の警察側は「そんな記録はない」と否定……。いまのところ真相は不明だが、いずれにしても、DHCの開き直りで韓国内での反発が高まるのは必至だろう。