さらにもうひとつ、吉本が当初十分な調査もせず事態を過少に発表した背景には、吉本が安倍政権や維新と癒着し、公的な仕事を数多く受注しているという問題がある。
本サイトは繰り返し問題視し続けてきたことだが、近年吉本興業は、法務省のPR、大阪サミットの交通規制PR、大阪万博誘致アンバサダーなど政府や安倍政権や維新の関わる仕事を数多く引き受けている。
またNTTと共同で行う教育事業には官民ファンド「クールジャパン機構」が最大100億円出資、普天間基地返還後の跡地利用に関する有識者会議に大崎洋会長がメンバーとして名を連ね、さらには大阪と沖縄でカジノ利権への参入を狙っているとの見方もある。
カンニング竹山は24日放送『直撃LIVEグッディ!』(フジテレビ)で、吉本が関わるクールジャパン機構の問題や沖縄の基地跡地利用、大阪万博などを具体的に列挙したうえで、こう指摘した。
「行政にガッツリ入ったビジネスをえらいやってて、そこではお金も動き出してて、そうなっちゃうと、会社としては下手を打つことができなくなっちゃいますよね。これで下手を打つと会社潰れますからね。すごいところにいっぱい入り込み過ぎちゃってるから」
竹山は、現時点の吉本側の思惑として語っていたが、反社問題を隠蔽しようとしたのも、こうした政商ビジネスの妨げになることを恐れたためだろう。
実際、大崎会長は「BUSINESS INSIDER JAPAN」(7月13日付)のインタビューで、こう語っている。
「国連、法務省、経済産業省、中小企業庁、大阪府、大阪市などには、今回の件で手分けして一度ならず二度、三度とご報告に上がっている。『今回のことは良くなかったけれど、大丈夫です』というお言葉をいただいている」
本来は、政府に何回も報告に行く前に、ヒアリングや調査をもっときちんとするべきだが、それをせずに、安倍政権や維新との関係で内々で事実に蓋をしていたのだ。いかに、吉本が事実よりもこの公的なビジネスを守ることに必死になっていたかがよくわかる。