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「参院選情勢調査」に焦る自民党! イージス・アショアの秋田では県知事や職員が勤務中に自民候補の選挙応援

自民党本部が通達した文書「本日の情勢報道に関して」


 7月4日に公示された参院選。その直後の先週末、マスコミ各社は「序盤情勢調査」を行ったが、その報道に自民党が過剰反応を見せている。

 中でもやり玉に挙がっているのが共同通信だ。共同通信は7月4日~5日、全国の有権者3万人以上を対象に電話世論調査を実施。その結果、自民、公明の両与党が改選124議席の過半数63を超え、改選前の77議席前後に迫る勢いという記事は全国各地の地方紙に掲載されたのをはじめ、全国紙である日経新聞にも掲載された。

 これに自民党幹部は「共同通信は野党の御用マスコミか。これではうちの党の選挙陣営が弛緩して野党に隙を与える」と激怒したのだという。

 ところが、同じトーンの分析をしたのは共同だけではなかった。朝日新聞も「自公、改選過半数の勢い」と一面トップに掲載。毎日新聞も「与党、改選過半数は確保」、産経新聞も「与党の改選過半数確実」と打った。読売の「参院選自民が優位」というタイトルが控え目に映るほどだった。

 一連の報道に自民党本部は焦り、これまでにないくらい強引なテコ入れ、締め付けを行い始めたらしい。当の自民党本部関係者がこう語る。

「朝日新聞や毎日新聞のようなアンチ自民の新聞だけならまだしも、共同通信や産経新聞までがうちの優勢を強く打った。これでは選挙陣営が緩みっぱなしで、野党に挽回のチャンスを与えてしまう。それで、全候補者にマスコミの情勢調査を否定する内部通達を出し、徹底した選挙活動を命じたのです」
 
 本サイトもその自民党本部が各陣営に通達した文書を入手した。ちょうど選挙情勢報道があった7月6日当日の日付、自民党の二階俊博幹事長と甘利明選挙対策委員長の名前が記されたこの文書のタイトルはズバリ「本日の情勢報道に関して」。そして、本文はこう始まる。

〈本日、報道各社が序盤の選挙情勢について「自公、改選過半数の勢い」などとあたかもわが党が優勢であるかのような報道がされています。しかし、選挙戦はまだ始まって3日目を迎えたばかりです。(中略)一瞬の気の緩みが取り返しのつかない事態を招きかねません。〉

 さらに、文書は、今回の参院選は投票率の大幅な低下が見込まれると懸念を示し、〈このままでは、労働組合など組織票を持つ野党に有利に働く一方、安心した与党支持者が投票に行かないことで、比較的優勢に戦いを進めていた陣営ですら、相手に逆転を許しかねない極めて危険な状況となります〉と野党逆転も杞憂ではないと訴える。

 そのうえで、〈戦いの主軸を「期日前投票」の徹底〉に置いて、〈わが党支持者を一人残らず投票に促し、一票一票を確実に積み重ねる運動を進めてください〉と厳命するのだ。

 組織票をもっているのは与党のほうなのに、何を言っているのかと思うが、とにかく危機感を煽るためには、なんでもありらしい。

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