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安倍首相が自分の「エレベーター」発言を「ちょっと遺憾」とふざけた釈明…「夫婦別姓は経済成長と関係ない」の暴言も

ニコニコ生放送HPより


 トランプ大統領と金正恩朝鮮労働党委員長の“電撃会談”で、完全に蚊帳の外に置かれてしまった安倍首相。「G20大阪サミットで議長として存在感をアピールして参院選に弾みをつけよう」という目論見はものの見事に打ち砕かれたが、それ以上に恥を晒したのは、G20の夕食会で“大阪城にエレベーターを設置したのはミス”などとスピーチしたことだろう。

 しかも、きょうになって、安倍首相の側近である萩生田光一幹事長代行が、エレベーター発言について、安倍首相がこんな釈明をおこなっていると公表したのだ。

「日本は文化財などの復元にも大きな力を持っていることをアピールしたかった。バリアフリーの社会に異論を唱えるような発言ではない」
「障害者やお年寄りに不自由があってもしょうがないと聞こえるかのような発言はちょっと遺憾だった」

 本人が直接、謝罪や釈明せずに、側近に語らせるというやり方にまず、あんぐりだが、さらに自分が発言したことを「ちょっと遺憾だった」って……。安倍首相には別人格がいるとか、もうひとり影武者がいるとかなのか。そうでなければ、あまりに自分の発言に無責任すぎるだろう。

 だいたい、安倍首相のスピーチは、「日本は文化財などの復元にも大きな力を持っていることをアピールしたかった」とは到底思えないものだった。

 おさらいしておくと、安倍首相はこの夕食会で、上機嫌でこう述べた。

「150年前の明治維新の混乱で大阪城の大半は焼失しましたが、天守閣はいまから約90年前に16世紀のものが忠実に復元されました。しかし、ひとつだけ大きなミスを犯してしまいました。エレベーターまでつけてしまいました」

 どうやら安倍首相はジョークとしてこれを述べたようだが、一体、どこが笑えるのか、さっぱりわからない。実際、この発言を受けた各国の首脳のあいだからは白けたムードが漂っていた。当たり前だろう。

 無論、このスピーチはネット上でも炎上し、車椅子ユーザーである乙武洋匡氏は〈朝からとっても悲しい気持ちになる〉とツイート。亀井伸孝・愛知県立大学教授は〈このようなことを、世界中が注目する場面でなぜ述べたのか、まったく理解できない。バリアフリーの世界的趨勢に逆行するようなことを言って、ウケるとでも思ったのか。スピーチライターは、何を考えて原稿を作ったのか。読み上げた首相本人に判断能力はないのか〉と厳しく批判。さらに、城郭考古学が専門の千田嘉博・奈良大学教授も〈健常者だけが、復元した大坂城天守に上がれればよい、エレベーターは最大の誤りだったと、G20で世界の首脳に総理自ら堂々と語るというのは、もはや悪夢でしかありません。本当に悲しいです〉と投稿した。

 バリアフリーに対する意識がまったく欠如していることを、あろうことかG20の議長が世界の首脳を前に「ジョーク」として露呈させてしまう──。いかに安倍首相およびスピーチライターといった官邸の取り巻きたちが、社会福祉や、「すべての国民は個人として尊重される」という憲法の人権にかんする基本的原則に対する意識をもっていないかがよくわかるというものだろう。

 しかも、安倍首相はこんな問題発言をおこなった2日後にも、信じられない暴言を吐いた。

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