そして、今回の部落差別発言は、長谷川氏のみならず維新の責任問題でもあるのは間違いない。
というのも、長谷川氏のこうした差別的体質を維新はよく理解しながら、またも公認候補者にしたという“共犯”関係にあるからだ。
長谷川氏といえば、女性差別・セクハラ発言や弱者への自己責任押し付けなど暴言に枚挙に暇がないが、なかでも世間を震撼させたのは、2016年に自身のブログに「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!」というタイトルで文章を投稿した件だろう。〈8~9割ほどの患者さんの場合「自業自得」の食生活と生活習慣が原因〉〈透析患者には一人年間500万円かかります。日本人の平均年収以上ですね。必死に払ってる保険料、そうやって食いつぶされ続けているのです〉と主張し、人工透析患者にかんするデマを書き連ねて罵倒、さらには健康保険制度を〈日本の病魔〉と斬って捨てた。
しかも、この暴論に批判が殺到しても、長谷川氏は〈自堕落な生活で人工透析患者になったハナクソ同然のバカ患者〉などと強調。人工透析患者に対する誤解や偏見を拡散しただけではなく、“自業自得なのに特権にありつく金食い虫”という憎悪感情さえも煽った長谷川氏の下劣な態度には反吐が出るが、そんな差別発言で非難を浴びたあとに、維新は2017年の衆院選で長谷川氏を擁立したのである。
無論、長谷川氏は落選したが、またも懲りずに維新は長谷川氏を公認した。つまり、維新はまったく反省の色もない長谷川氏の数々の暴言を容認している。そういうことではないか。
そもそも、松井一郎代表は、大阪府警の機動隊員が沖縄・高江のヘリパッド建設工事に反対する市民に「触るな、土人が」と吐き捨てた問題で、よりにもよって機動隊員に〈出張ご苦労様〉と労う投稿をおこなうなど、自身も差別容認発言をおこなった人物で、さらに言えば、「維新」創設者である橋下徹氏は「慰安婦制度は必要だった」「(在日米軍は)もっと風俗業を活用して欲しい」などと丸山議員並みの暴言を繰り返してきた。いわば維新そのものが「暴言」「暴論」で人気取りをしてきた政党なわけで、丸山議員や長谷川氏の存在はその象徴のひとつでしかないのだ。
一体、今回発覚した長谷川氏の差別発言に、維新はどのような判断をおこない、責任をとるのか。しかし、あきらかなことは、丸山議員や過去の松井氏・橋下氏の発言しかり、長谷川氏に公認を出すという事実しかり、維新に反省はない、ということである。
(編集部)
最終更新:2019.05.22 11:15