この、『バイキング』の報道についても、玉川氏はすぐに反応している。14日の『モーニングショー』では、『バイキング』の名前こそ出さなかったが、こう強く批判した。
「だってわれわれ、ちゃんともう一回確認したわけですよ、弁護士さんに。そしたらこういう意図だったということになると、それはもう2つしかありえなくて、理解力がないディレクターだったか、悪意を持って伝えたか、どっちかしかないと思いますよ、われわれの取材に基づけば。なんでそういうことするのかな。正確にやりゃあいいじゃないですか。あの番組(『バイキング』)でそういうふうな話が出たことによって、それに刺激された人たちがいっぱいまた発言してるでしょ。『自分探しってなんだ』とかね。自分探しなんて言ってないわけじゃないですか」
玉川氏の言う通りだろう。結局のところ、“小室さんバッシング”を繰り返しているワイドショーがやっているのはこういうことだ。つまり、メディアが「皇族の婚約者」を “ろくでなし”“ピエロ”だと印象づけるフェイクを垂れ流し、そのギャップをおもしろがるという自作自演。しかも、小室さんは立場上、表立って反論することもできなければ、名誉毀損などの訴訟を起こすこともないだろう。それにつけ込んで、連中は眞子内親王や皇室の将来を心配しているようなフリをしながら、おもちゃにして遊んでいるのである。
そうしたワイドショーの醜い本質をちゃんと指摘した玉川氏と『モーニングショー』は立派だが、逆に言えば『バイキング』の虚報は“一億総小舅・一億総小姑”状態となって結婚を潰そうとする世論=日本社会の前時代的な価値観をモロに反映しているとも言える。
何度でも繰り返すが、結婚は個人の自由であり、他人がとやかく言うものではない。ロクでもない人間と結婚する自由だって、破綻するかもしれなくても結婚する自由だって、結婚に失敗する自由だって、本来すべての個人にある。そして、皇族にはそれが許されないのだとすれば、それは皇室制度そのものの欠陥以外に他ならないのである。
その意味で言えば、小室さん報道を巡る『モーニングショー』と『バイキング』の際立ったスタンスの違いは、この問題の本質を視聴者に自覚させる可能性をもっているだろう。いまのところ『バイキング』は『モーニングショー』の報道以降に謝罪も訂正もしていない。今後の展開に注目だ。
(編集部)
最終更新:2019.05.18 12:29