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安倍首相がまたぞろバノンから「偉大なヒーロー」「トランプより前からトランプ」と絶賛され、世界に恥

 さらにル・モンドは、日本でも大正時代には民主化運動や反戦運動が盛んだったことに触れたうえで、戦後日本が大正デモクラシーと似た傾向に回帰したことを「日本の歴史の断絶」として否定的に捉える右派の文脈のなかに安倍を位置づけている。

〈1945年の敗戦は、日本の歴史の深い断絶となっている。しかしその断絶は、1910〜1920年に日本が経験していた民主主義への回帰と軍国主義の拒絶を導いた。安倍晋三を生み落とした日本の右派は、国際社会におけるコンプレックス(劣等感)から解き放たれ、経済的にも軍事的にも強い、ある種のJapon éternel(引用者注:悠久不滅たる神国日本というような意味)を取り戻すため、戦後という“ページをめくって”この断絶を抹消したいのだ。「Japan is back!」。安倍氏は第二次政権初期の2013年(引用者注:2月、米ワシントンのシンクタンクSCICでの演説)に、そう宣言している。歴史的観点からみれば、安倍氏が権力にいたる道において目立った事実として残るであろうことは、激しい外交活動と経済政策よりも、その侵略戦争や戦争犯罪を否認するニュアンスを帯びた歴史修正主義だ〉

 ほかにも、安倍首相の極右的政治姿勢を指摘する海外メディアは山ほどあり、いまや安倍政権=極右政権という認識は、国際社会のデフォルトになっている感すらある。

 このうえに、バノン氏の「トランプ以前からトランプ」発言などが広く紹介されれば、そんな危険人物を長々とトップに座らせている国として、日本の国際的評価はさらに下がっていくことになるだろう。

 しかし、この危機感は日本国内では全く共有されていない。それは日本のマスコミが、安倍政権に忖度して、その極右思想、反民主主義的な政治姿勢をほとんど批判しないからだ。実際、東京新聞など一部を除いては、安倍首相を名指しして歴史修正主義者と呼ぶもほとんどない。海外メディアから安倍政権が「極右」「ナショナリスト」「歴史修正主義」などとたびたび批判されていることについても、ベタ記事で触れる程度。森友問題でも、海外メディアは、安倍首相と極右思想の関係をこの問題の本質とする報道が多く見られたが、日本の新聞・テレビ報道ではその点をクローズアップするものはほとんどなかった。

 このままいけば、トランプどころではない。国際社会で日本が「民主主義国」のカテゴリーから外される日もそう遠くないかもしれない。

最終更新:2019.03.10 02:34

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