つまるところ、こういうことだろう。安倍首相を中心とする極右勢力は、別に元号が“日本の伝統”だから「出典は国書にしよう」などと目論んでいるわけではない。連中の言う“伝統”というのは、せいぜい明治から昭和の敗戦までの、“天皇を頂点とした万邦無比の神国”なる妄想の内側にあり、そうした国体思想の残滓を大衆支配の道具として再活用したいだけ。そのひとつが「元号」なのである。
これぞ“転倒したインチキ伝統主義”としか言いようがない。その最たるものが安倍首相だろう。
本サイトでも報じたように、安倍首相は2月22日の午後、元赤坂の東宮御所を訪れ、皇太子と異例の面会をした。いまの明仁天皇・美智子皇后との“関係”を考えれば、即位前に皇太子に内奏に参じることで“取り込み”をはかろうとの魂胆が見え見えだったが、安倍首相は3月中にも再度、皇太子と面会し、そこで新元号の複数候補を直接伝える方針と報じられている。前述の「週刊新潮」も指摘しているように、当然、そのなかにはくだんの“国書由来の元号案”もあるのだろうが、ようするに、安倍首相は新元号を“手土産”として皇太子に前もって伝えることでアピールしたいのだろう。
もはや「元号」を私物化し、政治的な玩具にしているとしか思えない安倍首相。一部では、新元号の発表まで自らおこなおうとしているとの憶測も出ている。周知の通り、平成への改元時には、時の竹下登首相ではなく、官房長官だった小渕恵三が「平成」の2文字を掲げたが、安倍首相はその役割を自らこなすことで“権勢”を知らしめようというのだ。
まあ、いつも責任は取らずおいしいところだけ自分の手柄にすり替えてしまう安倍首相のこと、なきにしもあらずである。いっそ、マジで新元号を「安倍」にでもしてくれたら、この政権のイカレっぷりがあらためて国民に周知されるのだが……。
(編集部)
最終更新:2019.03.07 10:39