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「私は森羅万象を担当している」安倍首相の“神宣言”は無教養なだけじゃない! 東条英機と同じ“肥大化した万能感”

 事実、安倍首相は“思い上がり”というレベルをはるかに超えた、自分を絶対的な権力者だと勘違いしているとしか思えない発言を連発してきた。

 たとえば2016年、2018年など数回にわたって国会で「私は立法府、立法府の長であります」と宣言。総理大臣は行政府の長であり、まさかの三権分立ガン無視発言を何度指摘されても繰り返している。2017年の防衛大学卒業式では「警戒監視や情報収集に当たる部隊は、私の目であり耳であります」「諸君のなかから最高指揮官たる内閣総理大臣の片腕となって〜」などと訓示して、明治天皇が軍に下した「軍人勅諭」さながらの言い回しで話題になった。

 なにより忘れてはならないのは、2015年安保国会での党首討論で言い放った「我々が提出する法律についての説明はまったく正しいと思いますよ。私は総理大臣なんですから」だろう。言うまでもなく、安保法制は多数の憲法学者から違憲という指摘がなされ、法案の中身もめちゃくちゃな代物だった。ところが、そうした批判に対し安倍首相は「総理大臣なんだから正しい」と断言、まさしく“俺こそが法だ”という法治主義の根幹を揺るがす発言だった。

 ほかにも、安倍首相はことあるごとに「私が最高責任者」と繰り返すが、昭和史研究の第一人者である作家・保阪正康は、この安倍首相の口癖を、日本を狂気の戦争に駆り立てた東条英機と同じものだと分析している。

「安倍さんは国会の答弁でよく“私が責任者ですから”と言うでしょう? あれは東条の言い方と同じなんですよ。政治権力の頂点にいる者が威張り散らすときの言葉で、東条は“俺に逆らうな”という恫喝の意味を込めてよく使いました。あんな言葉、普通の政治家は使いませんよ」(日刊ゲンダイ2016年2月19日付)

 こうした安倍首相の迷言の数々を振り返ってみると、いま、ネット上で話題になっている「森羅万象を担当している」なる発言も、これらとまったく同じ“天皇気取りの独裁者気質”“肥大化した万能感”からきていることがよくわかるだろう。そして、この安倍首相の歪んだ意識こそが、国会を軽視し、言論を平気で弾圧する“民主主義の破壊者”というしかない暴挙を生み出している。

 そういう意味でも、わたしたちはこの発言を笑うだけですましてはならない。この政治家を一刻も早く総理大臣の椅子から引き摺り下ろし、「森羅万象を担当している」ということが勘違いであることを知らしめる必要があるだろう。

最終更新:2019.02.09 01:34

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