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大坂なおみが日清ホワイトウォッシュ問題を「気にしてない」「なぜ騒ぐ?」は誤報道!別の質問への回答を歪曲・誤訳

 日本人の母とハイチ人の父をもち、アメリカで育った大坂選手はこれまでも、日本社会のグロテスクな差別性の発露に利用され、“日本受け”を狙った情報の歪曲の対象になってきた。

 本サイトでも以前お伝えしたように、大坂選手に対しては、かつてネット上で「日本選手っぽくない」「この人を日本選手と呼ぶことに違和感がある」という差別的な攻撃が見られた。

 大坂選手が全米オープンを制して喝采を浴びてからは、そうした差別の声も少なくなっていったように思えたが、逆に、その偉業や美点を“日本の心”や“日本人ならではの謙虚さ”などと無理やり日本に結びつける「日本スゴイ」報道や論評が沸き起こった。しかし、「多様性」の象徴としてその活躍が世界で注目されている大坂選手を日本の文脈に無理やり落とし込もうとするその論調は、明らかに彼女の名誉と人格を毀損するものだ。

 今回、大坂選手の発言を、日本社会の差別性やバックラッシュを許容するような発言に都合よく改変したのも、差別問題への無理解とこの“大坂なおみを無理やり日本の枠にはめ込もう”とする空気の表れと言っていいだろう。

 しかも、もう一つ指摘しておかなければならないのは、それが、産経新聞のような右派メディアだけでなく、時事通信のようなニュートラルとされるメディア、朝日新聞のようなリベラルといわれる報道機関によって行われたという事実だ。大手メディアまでが「日本スゴイ」の空気に流され、“日本受け”のために発言を歪曲した結果、そのフェイクニュースがネットで一気に広まり、「本人が気にしてないから問題ない」などという、全く本質から外れた意識の低い意見が正論としてどんどん拡散しているのだ。

 差別性とグロテスクなナショナリズムが想像以上に日本社会の奥深いところまで入り込んでしまっているという事実に、深刻にならざるをえない。

最終更新:2019.01.27 04:21

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