DHCテレビ『真相深入り!虎ノ門ニュース』1月17日放送回より
質疑応答なし、たった7分間の会見を打ち切った竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)会長に批判が集まっている。会見で竹田会長は“回ってきた稟議書にハンコを押しただけ”と主張。JOCの代表者であるにもかかわらず「いかなる意思決定プロセスにも関与してない」と断言するなど、その無責任ぶりが露わとなった。
しかし、こうしたなかで注目を集めているのが、竹田JOC会長の息子で“ネトウヨ皇室芸人”と呼ばれる竹田恒泰氏だ。
竹田JOC会長が五輪招致に絡む汚職にかかわった容疑でフランス当局が捜査を開始したと一斉に報じられた今月11日、恒泰氏はこうツイートした。
〈カルロス・ゴーンの逮捕に対するフランスの報復のように見える。フランスの民度の低さが見える。マクロンは相当追い込まれている模様。〉
さらに、本日放送された『真相深入り!虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)でも、恒泰氏はこのように吠えた。
「これ、どう見たって報復でしょ。間違いない。間違いないですね。フランスの民度が低いと言うことですわ」
「ゴーンをぽっとでも保釈すれば、話終わるんですよ、たぶん」
何を言っているのだろう。疑惑は数年前から報じられており、竹田会長に対するフランス捜査当局の昨年12月の事情聴取の日程も、同年8月の段階で決まっていた。つまり、ゴーン前会長が逮捕される約3カ月前から決定していたことなのだ。それをいまだに「報復だ」と言い募るのは、これぞまさに“印象操作”だろう。しかも、言うに事欠いて「フランスは民度が低い」って……。
だが、恒泰氏はこの『虎ノ門ニュース』で、「フランスという国はですね、ヨーロッパの中国と言われている」などと言い出し、フランスを罵倒しつづけたのだ。
「日本人って、フランスを良い国だと思ってるじゃないですか。フランス革命とか『人類の栄光』とか言ってるじゃないですか。あんなもの、人類史上の汚点ですからね、フランス革命なんて。あいつらのおかげで社会主義とか共産主義とかできたわけですからねえ」
「だいたい、パリの様子見たらわかるじゃないですか。自分のとこの治安も守れずに国がグチャグチャになってですよ、何がオリンピックの贈収賄、ふざけんなっていうんですよ」
「結局、フランスは敗戦国のくせにね、戦勝国ぶってるんですよ。ふざけんなっつうんですよ」
五輪に絡んだ汚職に対して捜査のメスが入ることは健全性を守る当然の行為だが、それを非難するのにフランス革命まで持ち出してくるとは、まったく筋違いもいいところ。その上、恒泰氏はこんなことまで言い出したのだ。
「明治天皇のひ孫だどうのこうのとか言ってますけども、あいつら王様をギロチンで処刑して、皇室ないからひがんでるんじゃないですか? 絶対そうですよ」
フランスは皇室がないひがみから父親を逮捕しようとしている(苦笑)。竹田会長の無責任会見にくわえ、息子がこんな程度の低い陰謀論を開陳するとは、どこまで恥を晒せば気が済むのだろう。
さらに、会見に対しては産経新聞でさえ〈用意した文書を読み上げただけの一方的な会見〉と断じたのに、恒泰氏は「煽り立てているのは朝日新聞」とお得意の朝日バッシングをむりやり展開する始末。だが、このときに朝日新聞の鮫島浩氏のツイートを紹介したのだが、そこにはこんなことが書かれていた。
〈JOC竹田会長は旧皇族竹田宮家生まれで明治天皇のひ孫。1974年に若い女性を死亡させる交通事故を起こし2年後に馬術競技で五輪出場している。父は関東軍参謀でJOC会長、子はネトウヨタレント。JOCに君臨する竹田一族の「栄華」の背景を国民はもっと知る権利がある。〉