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安倍応援団やネトウヨが仕掛けた「バッシング」をMBSのドキュメンタリーが検証! 予想以上にデタラメな正体が

『バッシング ~その発信源の背後に何が~』(MBS公式HPより)


 関西ローカルで放送されたドキュメンタリー番組が、いま、ネット上で話題となっている。MBS毎日放送のドキュメンタリー枠『映像'18』で16日深夜に放送された『バッシング ~その発信源の背後に何が~』だ。

 この番組では、安倍政権の政策や歴史修正主義への批判に対し、今年、ネットなどを舞台に起こった政治的なバッシングを検証。そのバッシングの源流に自民党の政治家や極右メディア、ネトウヨTwitterアカウントやヘイトブロガーがかかわっていることを示したのだが、その取材において、バッシング発信源たちがいかにデタラメで無責任なものかを見事にあぶり出したのだ。

 たとえば、今年7月、“生産性がない”問題で大きな批判を集めた自民党・杉田水脈議員。しかし、杉田議員は今年2月にも、国会を舞台にして、歴史修正に基づいた不当な“バッシング”煽動の発信源になっていた。それが、科学技術研究費助成事業(科研費)問題だ。

 杉田議員は、2月26日の予算委員会分科会での質問のなかで、科研費について取り上げ、大学教授の実名をあげながら「徴用工問題が反日プロパガンダとして世界にばらまかれている」「日本の科研費で研究がおこなわれている研究の人たちが、韓国の人たちと手を組んで(反日プロパガンダを)やっている」などと批判。「なぜこんなことになっているのか文科省は真相究明を」などとまくし立てた。

 さらに自身のTwitterでも、科研費助成事業のデータベースのURLを貼り付けながら〈人名を検索すれば誰がどんな研究で幾ら貰ったかすぐわかります。「慰安婦」とか「徴用工」とか「フェミニズム」とか入れて検索もできます。ぜひ、やってみてください!〉と投稿。ジェンダー論を専門にする牟田和恵・大阪大学教授に噛みつき〈慰安婦は捏造。慰安婦問題は女性の人権問題ではない。税金を反日活動に使われることに納得がいかない〉などと攻撃を繰り広げ、フォロワー数約4万の影響力をもつ「CatNA」氏もこれに加担。その結果、牟田教授が所属する大阪大学にはクレームの電話が入るなど、バッシングに晒された。

 牟田教授は性暴力の問題を専門とし、そのなかで「慰安婦」問題も取り上げてきた。そもそも、「慰安婦」問題を「捏造」だと断言すること自体が歴史修正以外の何物でもないが、「慰安婦」問題が女性の人権問題であることは国連も認めるもので、杉田議員の牟田教授への攻撃は安倍政権が気に食わない学者たちをあぶりだして締め上げようとする学問の自由への侵害、言論弾圧であり、矢内原事件をはじめとする戦前・戦中の思想弾圧を彷彿とさせる“反日狩り”と変わりはない。

 しかも、番組側が杉田議員に取材を申し入れたところ、こんな返事が返ってきたというのだ。

「科研費に詳しくないのでインタビューは受けられない」

 国会という場で実名を挙げて「科研費をもらっている研究者が韓国と手を組んで反日プロパガンダをやっている!」「文科省は真相究明を」と主張し、検索しろとネット上でけしかけた張本人が、「科研費に詳しくない」と取材拒否する──。この無責任さ、恥も外聞もない態度は一体なんなのか。

 いや、驚くのは杉田議員だけではない。番組では、今年、安倍首相が「70年振りの大改革」として法案提出した「働き方改革関連法案」の目玉だった裁量労働制の対象拡大をめぐり、データが捏造されていたことを突きとめた法政大学の上西充子教授に対するバッシングも紹介したのだが、ここでも自民党議員が信じられない態度を見せたのだ。

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